2010年9月アーカイブ

封書かハガキか。
ウッドクラフト展の審査結果通知は、入賞の場合は封書で、それ以外の方にはハガキが
届きます。

入賞作品はもちろん優れた作品なのですが、入賞作品以外の作品もそれぞれにいい作品
がたくさんあります。
審査会で候補に残った惜しい作品もあります。
毎日見ているうちに、すこしずつ良さが伝わってくる作品もあります。
来場者の方からの感想で良さに気づく作品もあります。

ハガキ1枚で結果のみをお伝えする。公募展なので、その辺はシビアであって当然なので
すが、今回、審査員から受賞者以外の方へもメッセージを伝えたいという意見が出ました。
入賞することだけが全てではないかもしれませんが、よろしければ今後の参考にしてみて
ください。

審査委員長 小黒 三郎(組み木デザイナー)
デザインとは意匠の計画を立てるという意味があります。先ず発想が決まったら図面を
きっちり書き、作図の段階でアイデアをよく練り直してゆくことが大切と思います。
それから制作にかかるのですが、ここでもまず試作をし、更に細部の形を練り直してゆくのです。
その一連の過程をすすめてゆく楽しさが、よい作品を生み出してゆくと思います。
おもちゃは遊びのデザインですから、ゆったりした気持ちで楽しみながら作ることが最も
大切と思います。
「心のゆとり」が作品を通して、遊び手にも伝わってゆきます。
出来上がった作品をぜひ、身近な子ども、大人に遊ばせてみて下さい。そこでも気がつく
ことがいろいろあるでしょう。

日野 永一(兵庫教育大学名誉教授)
毎年の審査で、大変残念に思うことが一つあります。
実は入賞作と、惜しくもそれを逸した作品との差は、紙一重なのです。ここを少し変えたら
入賞するかもしれないという作品が大半です。それを直接作者にお伝え出来ないもどか
しさを毎年感じるのです。
そこで私達がどのような観点から作品を見ているか、簡単に述べてみます。
★アイデア 独創的なアイデアが必要なことは云うまでもありません。その基本的アイデ
アを効果的に生かすには、様々な細かいアイデアも必要です。そしてそれらが独りよがり
にならない注意も。
★造形性 形やバランスなどの造形的な美しさ、特に木材の質感を生かすことで作品の魅力が
増します。
★技術 アイデアや造形性を生かすための技術の必要性は当然です。しかしこの展覧会は
決して技術コンクールではありません。素朴さが魅力となっている作品も少なくありません。
★その他 子どもが遊ぶためには安全性や丈夫さへの配慮を忘れてはなりません。
計画がまとまり製作にかかる前に、もう一度上記のような観点からチェックしてみてくださ
い。皆さんの作品が、より輝くための参考にしていただければ幸いです。

渋谷 寿(名古屋女子大学教授)
今回残念ながら受賞には至らなかったけれど、非常に惜しい作品が多くありました。
今後の制作に向けて少々アドバイスをさせていただきます。
まずアイデアは、作者のオリジナルが求められます。誰もが知っている既存の動くしくみを
使うことの問題はありませんが、既に発表されているもの・既にあるものを思わせる作品
はよい評価が得られません。デザインはよりシンプルに考える方がよく、装飾をこったもの
でも意味のない造形の評価は不利に働きます。
また、形と素材との関係や組み合わせた時の色の関係も吟味し、「美しいか」という視覚的
効果も考えるとよいと思います。
部品の固定方法は、接着剤がよいのか、木ネジ止めがよいかなど吟味が必要です。強度
を考え、木ネジを使用する場合も、見えないように丸棒の小片でネジ穴の上部を埋める等
工夫が効果的な場合もあります。それから、それぞれの部品の強度も実験の上、必要充分
な板の厚さや太さを決めてください。必要以上の強度や板厚は無駄なものです。
総合的にいうなら、作品集などの受賞作品の情報を収集することも意味はありますが、や
はり、自分で思うものを作って強度や美しさを実感し、改善しながら自分だけにしかできな
いオリジナルの作品を完成させていくことが重要でしょう。

佳作(丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞) 「前進、後退に「ゆれる首と尾っぽ」「キリン」」 三浦 正夫さんの作品です。

キリンにまたがって前進、後退させると、キリンの首としっぽが動く楽しい遊具です。
お孫さんの為に作られたのでしょうか。
こんな楽しい木の遊具が身近にあったらとてもいいですね。
キリンの表情も愛嬌があって素朴なかわいらしさです。
三浦さんは三回目の出展での初受賞です。

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お客様にお願いして実際に乗っていただきました。

佳作(丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞) 「みんなでかけっこ」 寺谷 建明さんの作品です。

キリンやシマウマなど4体の動物が仲良くかけっこする作品です。
足の部分を指でちょこんと揺らすと、動物本体が走っているように見えます。

動物の特徴がよく出ており、流れるような曲線の洗練された美しさが高く評価されました。
材質をかえた色のバランスもきれいな作品です。
動物のつぶらな瞳もいいですね。

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佳作(丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞) 「夢みる人」 小池 恵美子さんの作品です。

~以下、作者の小池さんのコメントです。~
『ファンタジーが好きです。読んでいるうちに夢中になって、ストーリーに入りこんでしまいます。
読みおわってもその後どうなったのかな・・と想像してしばらく抜け出せないこともあります。
そんな気持ちを作品にしました。』

開いた本の中から飛び出した、お姫様や魔法使い、ドラゴンなどのファンタジーの世界が、
オルゴールのメロディとともに動きだします。
下の部分では、古い図書室で本を読む人・・。
細部までていねいに作ってあり、見えない部分も凝っています。
とても素敵な作品です。

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半分折り返しました

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ウッドクラフト展一般の部の展示も会期の半分が過ぎました。
残すところあと一週間です。

今日は日曜日ということもあって、たくさんの来場者がありました。
それぞれの作品のアイデアや技術に感心されていました。
動かせる作品を実演してみせると、みなさん自然に笑顔になります。

それから、出展者の方も何人かお見えになりました。
応募申込書に作品についての説明を書き込む欄があるのですが、
それを読んだだけでは分からない制作のエピソードや、
作品への思いなどのお話が聞けて良かったです。

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暑かった夏も終わりましたね。苑内に落ちていた栃の実です。

特別賞(三木工業協同組合理事長賞) 「おっかけっこ」 久保 進さんの作品です。
この特別賞は、今回新設した賞です。
副賞には、全国屈指の金物の町である三木から三木刃物が贈られます。

「おっかけっこ」はその名のとおり、カバと子どもが右に左におっかけっこをします。
歯車やチェーンを使った仕組みがよく見えるように作ってあり、興味をそそります。
子どもとカバの手足、カバの口が動く仕組みにもしてあります。

素人にはなかなかマネが出来そうにない作りですが、
カバや子どもに素朴さがあってとても親しみやすいおもちゃです。

来場者の方々にもとても人気があります。

動画も併せてご覧ください。

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新人賞(兵庫丹波の森協会理事長賞) 「コ・ワ・イ」 冨田 一男さんの作品です。

ネコとネズミ、ネコと魚、ウサギとカメ、犬とトンボの4組があります。
本体の後ろについているレバーを前後に動かすと、動物が体をくねらせたり飛び跳ねたり
させながらネズミや魚をおいかけます。
4体のうち、カメと魚はくるっと回転します。
レバーの動きを速くしたり遅くしたりして、動物の面白い動きを追求するのも楽しい。

作者の冨田さんは、定年後、あこがれていた木のおもちゃ作りを始められたそうです。
今回が初出展、見事な新人賞です。

細部の丸みなどの仕上げもとても丁寧な仕事で、作っているときの楽しさが
こちらにも伝わってくるようです。

新人賞コ・ワ・イ.jpg

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続いては優秀賞(丹波市議会議長賞)「揺れる政権(与党vs野党)」山根 亮二さんの作品です。

正八角形の箱の中に積み木のような木片のコマが入っています。
そのコマを出し、フタに板を載せます。
そして付属のサイコロで樹種を出し、出た樹種のコマをうまくバランスを取りながら置いていきます。

6つの樹種からなるコマには、作品のタイトルからも分かるように、それぞれ政治に関する意味が付いています。
木工と政治を組み合わせた発想です。なんて斬新!

国会議事堂をモチーフにしたコマがあるのが分かるでしょうか?

優秀賞揺れる政権.jpg

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続いては優秀賞(丹波市教育長賞)「ゆれコロ魚つり」 中村 俊雄さんの作品。
お盆型の中に、熊と人が仲良く釣りをしている楽しい風景が広がっています。
熊や人、太陽、魚、木の実はそれぞれ球形で外れるようになっています。
球を外し、それぞれ所定の場所に入れるのを楽しむゲームです。
(うまく顔が正面を向くように入れるのは、かなり難しい)

この作品には、なんと22種類もの樹種が使ってあります。
(カエデ、クリ、ホオ、ケヤキ、ヤナギ、カイヅカ、ウルシ、シラカバ、ハイ、クロガキ、カヤ、ビャクシン、パドック、シタン、サクラ、コクタン、エンジュ、ヤマモモ、ハゼ、ブビンガ、センダン、オニエンジュ)

象嵌の技法により、様々な木の色を生かしてほのぼのとした風景が、美しく表現されている
ところも大きな見所のひとつです。

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優秀賞3点をご紹介します。

まずはじめに優秀賞(丹波市長賞)、「ゆめのゆりかご」大森恵さんの作品から。
この作品は、ブタとタヌキの顔を回すと、のんびりゆっくりと左右に動きオルゴールが
メロディを奏でます。
曲は「ふるさと」と「里の秋」

材料のタモ、ウォールナット、ヒノキ、チューリップウッドそれぞれの木の色を生かして、
ブタとタヌキの顔が表現されています。

「ゆめのゆりかご」は赤ちゃん向けのおもちゃとして制作されました。
実は、作者の大森さんは今年女の子を出産されました。
作品は赤ちゃんがまだおなかの中にいる時に制作されたそうです。
先日、そのかわいい赤ちゃん(春菜ちゃん)を連れて、ご家族三人でウッドクラフト展を見に来られました。大森さんはご夫婦そろってウッドクラフト展に出展されています。
お父さんお母さんに手作りの木のおもちゃを作ってもらえるなんて、とても素敵なことですね。

動く様子も併せてご覧ください。のんびりとしたやさしい動きが眠気を誘います。
優秀賞ゆめのゆりかご.jpg しっぽ.jpg

まずはグランプリ「はいしどうどう 組み木5点セット」守重シゲ子さんの作品から。

グランプリはいしどうどう.jpg

この作品は、「馬と金太郎」「トナカイとサンタ」「ラクダと二人の子ども」「象と少年」「水牛と子ども」の5点の組み木から成っています。
それぞれの動物の底部分が弧を描いていて揺れます。
円弧の部分を切り抜いて、動物の脚が床面を蹴って跳ねているイメージで制作されたそうです。
平面的な美しさだけでなく、立体的にも楽しめる所が高く評価されました。
それぞれの組み木が、引き出し式で収納出来るようにもなっている、
色鮮やかでとても美しい作品です。

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続いては、準グランプリ「パクパク」松本悦男さんの作品。

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起き上がりこぼしの原理になっていて、下の土台を転がすと上部の動物の口が
パクパクなりながら揺れます。
揺れる時、下の土台についているいろとりどり樹種のパーツもカラカラ音をたてます。
竜のようにも見える架空の動物が、いい顔をしていて味があります。
舌もぺろっと出ていてかわいい。
ですが、動きはとてもダイナミック。
今回動く様子を動画に撮ろうとしましたが、
あちこちに動くので、撮影がちょっと難しくて断念してしまいました。

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続きはまた近いうちに掲載します。
ウッドクラフト展ホームページにも、入賞作品の写真、講評等を掲載していますのでご覧ください。
ウッドクラフト展

テレビ放送のおしらせ

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今日はテレビ撮影がありました。
見られる地域は限られていますが、
地元では「おっ!サンテレビ」のキャッチコピーでおなじみのサンテレビです。

放送は、急ですが、本日。
夕方5:30のニュース内で放送予定です。(予定変更の場合もあります)
↑予定変更されたようです。見て頂いた方申し訳ありません。放送日時が早めに分かりましたらお知らせします。
↑◎放送は9月24日お昼の12:55です。ギリギリのお知らせになってしまい、すみません・・。

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「急な告知でごめんな~」(おっサン太陽

  

はじまりました

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今日から一般の部の展示がはじまりました。

今日の来場者数は164名。
3連休中ということもあって、たくさんの来場者がありました。
みなさんとても感心して見ておられました。

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今日は岐阜からはるばる、出展者の方がウッドクラフト展を見に来てくださいました。
直接作者とお目にかかれるのは、担当者としても嬉しいことです。
木工を始められたばかりというまだこれからの若い方でしたが、
ウッドクラフト展が少しでもいい刺激になればいいなと思います。

展示は10月3日(日)まで。9時~17時(最終日は15時まで)です。
ぜひ見に来てください。

展示まであと少し

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9月19日から始まる一般の部の展示会まで、あともう少しとなりました。
あれやこれやとする事がたくさんあって、少々焦っています。
頭の中でたくさんの小人たちが走り回っている感じ。(体がついていってない)
今日は、展示用キャプションを作るなどしました。

明日は作品集用に、入賞作品の写真撮影に行きます。

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作業中(もたもたしてます。特に測ったりする時)

 

一般の部入賞者発表

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グランプリ(文部科学大臣賞)
 「はいしどうどう」組み木5点セット 守重 シゲ子(山口県)
準グランプリ(兵庫県知事賞)
 パクパク 松本 悦男(京都府)
優秀賞(丹波市長賞)
 ゆめのゆりかご 大森 恵(兵庫県)
優秀賞(丹波市議会議長賞)
 揺れる政権(与党vs野党) 山根 亮二(兵庫県)
優秀賞(丹波市教育長賞)
 ゆれコロ魚つり 中村 俊雄(山口県)
新人賞(兵庫丹波の森協会理事長)
 コ・ワ・イ 冨田 一男(山口県)
特別賞(三木工業協同組合理事長賞)
 おっかけっこ 久保 進(東京都)
佳 作(丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞)
 夢みる人 小池 恵美子(愛知県)
佳 作(丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞)
 みんなでかけっこ 寺谷 建明(兵庫県)
佳 作(丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞)
 前進、後退に『ゆれる首と尾っぽ』
  『キリン』 三浦 正夫(滋賀県)

応募者のみなさんにはすでに通知が届いていることと思います。
入賞作品の写真等は順次このブログで掲載していく予定ですので、楽しみにお待ち下さい。

ジュニアの部の締め切りが9月14日(火)消印有効 と迫っています。
たくさんのご応募お待ちしています。

日本では、刃物などを使う危険をともなうこともある木工を授業で取り上げることは
少なくなっているようです。
私の小中学校の頃を思い出しても、あまり記憶にありません。
でも、木の文化が浸透している北欧などでは、授業に必ず木工が組み込まれていて、
各学校には道具なども揃っており、こどもたちは自然に木に触れあう機会があると
聞きました。
頭と手を使うことは、学力にも良い影響を与えているということです。
確かにじっと机に座っている時より、体を動かして何かをしている時の方が、
ふっとアイデアが浮かんだり、頭が冴えることが多い気がします。

話は少しそれてしまいましたが、ウッドクラフト展を通じて、木のぬくもりを感じながら、
木を切る、削る等の木工作の楽しさをたくさんの人にお伝え出来ればいいなと思います。

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おやつのバナナ(写真と本文は関係ありません)

 

審査会おわりました

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昨日、一般の部の審査会が行われました。

ホールに並べられた作品を前に、3名の審査員による厳正な審査が行われました。
今年は例年に比べ票が細かく分かれたので、入賞作品を決めるのに一苦労だったようですが、
なんとか入賞作品10点が無事決定しました。
息をひそめて見守っていた担当者Nもほっとしました。

気になる入賞者発表はまた後日。

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いよいよ・・

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あっという間にもう9月。
このあたりでは稲刈りもだいぶ終わって、秋の風景です。吹く風にもやっと少しずつ秋を感じるようになりました。

8/29に一般の部の搬入を締め切り、冷房がないホールで汗を流しながらの開梱作業も終えました。

今年の出展数は、全部で57点。
暑さのせいなのか、体調不良などの理由で、残念ながら出展辞退される方がいつもより多めでした。

業者搬入で梱包されていた作品とは初顔合わせ(?)。
短い間ですがひとつよろしくお願いしますと、作品ひとつひとつの状態や操作方法などをチェックをしていきました。

さてさて、明後日はいよいよ審査会。
どの作品がグランプリを獲るのか・・ドキドキです。