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過去の受賞作品


一般の部 第17回
審査総評

 簡単な物事に、深い意味が隠されていることがあります。

 工芸、工作、工夫、そして木工などの「工」という字は、たった三画の簡単な文字ですが、そこには大きな意味が込められています。中国の古い字書は、上下の二本の横線は天と地、縦の線は人を表わしているといいます。しかも直角に交わる姿は定規、つまり正しい規則を示し、人が天と地との間にあって規則正しい仕事をすることを意味し、また人の上に立つ者は、定規のように人々の標準とならねばならないため、官吏を工と呼んだともあります。

 天(自然)の摂理(法則)をもって、地上の人々のために物を作ること。私はそう解釈していますが、ただ人が天から受けるものはそれだけでなく、天の心、言い換えれば自然の恩恵をも受けていることを人は忘れてならないと思います。木に親しみ、木を用いてモノを作る。その行為は、人と自然との共生といった言葉を超えて、天・地・人が一体となり得る貴重な瞬間であるとさえ思えます。

 今年も、制作中の様々な想いを秘めた数多くの作品が、この丹波年輪の里に集まりました。出品点数こそ例年より少なめでしたが、いずれも高水準の粒よりの作品ばかりで、審査も慎重にならざるをえません。一つの作品を前に、長時間の論議も珍しくありません。入賞候補以外の作品の中にも見るべきものを持ったものがないかと、何回もの見直しも行われました。それぞれの作品の中に込められた皆さんの想いを集めたら、どれだけの量になるでしょう。それに応えるべき審査が望まれるからです。

 来年もまた、この丹波年輪の里に、多くの作品が集うことを楽しみにしています。

一般の部審査委員 日野 永一
(兵庫教育大学名誉教授)
グランプリ
作品写真
作品名 / (オタマジャクシ)はカエルの子
氏名 / 清水 郁太郎
【作者コメント】
 歩いて鳴くカエルです。床に置きカエルの背中のひもを引っ張りあげると後ろ脚が進み、ロが開きます。同時にロの中の3つの木琴が鳴ります。ひもを下げるとロが閉まり、前脚が進みます。歌のうまい動物はいろいろいますが、カエルが合唱を上手に出来るのは、音楽の楽譜にオタマジャクシがたくさんいるからでしょうか。 木のおもちゃで木の良さを伝えたいと思っています。「音」は他の材料にない木の素晴らしい特徴の一つ。木その物の音を表現したくて木琴を使いました。 持ち上げたひもは、バッと離さないで手に持って下げるようにしてください。その加減で鳴き方も変わります。残念ながら上には乗れません。内部の音を鳴らすしくみに繊細な部分がありますので、優しく遊んでください。
【講評】
 ひと目見て、これ以上シンプルな蛙があるだろうかと思う。形が美しい。ラグビーボール型の背の、濃淡のある樹種の集成による縦縞が効果的で、曲面の持つ量感の美を引き出している。凸状の球のローズウッドの円形の黒目は、まさに蛙のギョロ目である。

 背の紐を引っ張りあげると大きな口が開いてポロロンと木琴の美しい音がする。その仕組みも単純にして巧み。遊び手は何度もその音を聞きたくて口を開けたくなるだろう。音が出るとき、蛙の大きく開いた口蓋は共鳴板の効果を持つ。蛙の形、大きさ、重さが口を開ける動きと関連してくるので、そのあたりの計算は体験を重ねて生まれてくる、直感的なものが働くだろう。しかし発想が生まれて一直線に完成できる動きや音ではではない。

 作者は長年、音の出る記の玩具の製作を積み重ねてきた。これまでの作者の精進の結果に生まれてきた作品と思う。このクラフトコンペの15年前の、第二回展に続く二度目のグランプリ受賞である。

 形と動きと音から生まれるユーモアは作者の資質と思う。蛙の舌の木琴の球がオタマジャクシのようにも見えて楽しい。

一般の部審査委員 小黒 三郎
(組み木デザイナー)
準グランプリ

作品写真
作品名 / 丹波の森の舞踏会
氏名 / 福島 栄一
【作者コメント】
 森の中にいると様々な音が聞こえてきます。もし、丹波の森の地下に木琴窟があって、ステキなリズムが流れてきたら、森の妖精達は毎夜舞踏会を繰り広げるかもしれません。ハンドルを回すと、木琴がワルツのリズムを奏でます。と同時に人形達が踊りはじめます。単体の人形は、自ら回転しながらペアの人形と小さな円運動をし、更に大きな円運動をします。磁石の不思議な力と、人形の動きを楽しんで下さい。
【講評】
 動く仕掛けに磁石を用いただけでなく、それを2種類の円運動にしたところに本作品の独自性があります。この動きが舞台の上(ここでは丹波の森の中の広場)の人形に生き生きとした表情を与え、「生命のあるモノの動きを真似る生命のないモノ」と定義されたオートマタの魅力を引き出しています。

 また、人形の裾を緩やかにカーブさせることによって安定感と支点を求め、さらに磁石の反発を利用して回転させる工夫も見逃すことができません。

一般の部審査委員 小田桐 充
(雑誌編集者)
優秀賞
  柏原町長賞 サブロク 加藤 克俊
  柏原町長賞 飛べ!! にんじんの舟 大森 栄司
  柏原町長賞 てんとう虫の森 外村 憲平
アイデア賞
  氷上町長賞 (二等分割パズル) 分ける 河野 一郎
  青垣町長賞 やんちゃぼうず 山川 マサミ
  春日町長賞 アクションつみき 松島 洋一
  山南町長賞 不思議なたまご
―ブレーメンの音楽隊―
小松 強志
  市島町長賞 ワンちゃんサッカー
2004 Aug
村上 章
奨励賞
  兵庫県勤労福祉協会 理事長賞 せせら木(せせらぎ) 足立 晃一郎
  兵庫県勤労福祉協会 理事長賞 トントンカー 三河 克哉
  兵庫県芸術文化協会 理事長賞 コルサ 久保 進
  丹波の森協会 理事長賞 流線の道
―蝶のように、虫のように―
横山 薫
特別賞
  丹波の森ウッドクラフト展 実行委員長賞 MAGNETIC THEATER 松本 悦男
出展作品数は71点、出展数は65名
審査員
    【審査委員長】
小黒 三郎
組み木デザイナー
    小田桐 充 雑誌編集者
    日野 永一 兵庫教育大学名誉教授
    藤本 由紀夫 サウンド・アーティスト
    水上 喜行 大阪教育大学教授
 
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