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過去の受賞作品

一般部門 第11回
審査総評

考える・作る・遊ぶ

 自分の組み木のデザインのことで恐縮であるが、例えばぼくが、もっとも単純な組み合わせの、二匹からなる「ゾウの親子」をつくった時のことを考えてみる。

 ゾウの親と子が自然なポーズで、しかもなるべく体と体を接する、共有する線の多い組み木の形を考える。これが発想であり、また自分に与えた課題である。ラフスケッチをしている時、部屋のテレビの画面に写った白馬村のラージヒルの、流れるようなジャンプ台のスロープと、飛翔する選手の描くゆるやかなS字のカーブ。美しいなあと思い、ゾウの親の鼻の線に活かしたいと考える。作図の一枚を板切れで試作する。切り口に逆目の出にくい切り方の順序を考える。遊ぶ子どもは、この二片をどう並べ、重ね、ひっくり返し、組むだろうかと考え、あらゆるレイアウトの仕方を自分で考えて試してみる。初めの形の一部を直し再び試作する。子どもの掌の大きさと、立体としての安定感を考え、板厚と大きさを決め、制作図を決めてゆく。

 たった二片の組み木のおもちゃをつくるのにも、その発想から完成に至るまでの間に、じつにさまざまなことを考えている。考える=計画を立てることと、手を使う=素材の木の特性を活かしながら加工すること。クラフトの仕事はその連続といっても過言ではない。

 考えることと手(身体の中でも脳の延長の末端器官)を使うことは結びついている。考える元となる想像力や発想は遊びの中から生まれる。人は考え、手を使い、ものを作り、遊び、そして学習するのである。おもちゃづくり(クラフトデザイン)には、そのすべてが含まれている。

 人間は考える葦だとパスカルはいった。ホモ・ファーベル=作る人、あるいはホモ・ルーデンス=あそぶ人といわれるのは、人は考え、ものを作り、遊ぶことが、生まれながらの本性だということなのであろう。戦後の日本の教育の中で、もっとも欠けていたのは、このホモ・ファーベルとホモ・ルーデンスという視点であった。知識の詰めこみだけに子どもたちはエネルギーを使わされ過ぎた。

 この公募展は、そういう意味で大変意義のある活動であった。10年の活動を終え、今新しく11年目に踏みこんだことを喜ばしく思う。考えること、手を使うこと、そして遊ぶことを、ぼくたちは人を人たらしめる、もっとも大切な人間的営為と捉え、ウッドクラフトを楽しみながら、豊かな生きがいとしてのものづくりをしていこう。

一般部門審査員長 小黒 三郎
(組み木デザイナー)

グランプリ

該当作品無し

準グランプリ
作品写真
作品名 / くるくるポン
氏名 / 山川 マサミ(岐阜県)
【作者コメント】

 ハンドルを回すと、人形たちが動きだします。

【講評】

 この一連の作品は構造的及び視覚的に上下に区分されています。上の部分は、制作者が意図するテーマを造形する箇所で、この作品の主体になる部分です。

 下の部分は、主体を支えると共に、動きの為の機構を組み込まれる方形の支持体です。この方形は左右の両側面と、天板、底の部分より構成されており前面及び背面は塞がれてはおりません。次に色彩に対して重要性を感じており、対策は極めて明確です。全ての主体に対し樹種の持つ濃度の深い木片を用いて的確に形態の表現を行っています。支持体及び内部構造の全てに対して徹底的に色彩を排除して白色に近い木質木片を用意して、無色に近い状態を現出させており、有彩色、無彩色を対比させ、そのコントラストの効果を求めたものと思います。

 主体の造形は抽象形や幾何学的形態で処理されており、人物表現は一点のみ。秀逸は蟹の横歩きを交互に動く脚と胴の天辺より泡を吹く表現です。クラゲらしきものが波間を漂う作品。ライオンらしい動物が頭を振り、片脚を挙げたり下ろしたりする動作をしており、音が出ます。鳥が口を開いて囀り脚でリズムを取っている作品も有ります。これらの作品は、全て前後より観察出来る構造であり工作を志す人達に取っては有意義な教育的作品であり、開放的な制作者に敬意を表します。

大野 巳善男(造形デザイナー)
優秀賞
    変化球2号・3号 井上 学(神奈川県)
    左まわりはクルクル、右まわりはイヤイヤする葉っぱたち 沢 芳郎(兵庫県)
    ジダラック(自堕落) 村口 要太郎(青森県)
奨励賞
    転動玩具ワークショップ〜1枚の円板から〜 青木 宏子(大阪府)
    たのシーソー 市辺 勝己(京都府)
    秋の風景 興野 伸扶(熊本県)
    ナーフュ in イタリア 久保田 達哉(大阪府)
アイデア賞
    カニブロック 三河 克哉(北海道)
    たてながジャングル 加藤 清克(東京都)
    丹波の雲海 小松 宏之(兵庫県)
    おやこうでずもう 荒田 健司(兵庫県)
    ”森の動物シリーズ”カメとワニ 藤森 和義(長野県)
特別賞
    わらしべ園作品群「犬の乗り物」 大江 正樹(大阪府)
    わらしべ園作品群「ウサギ」 加藤 仁美(大阪府)
    わらしべ園作品群「ワニ」 浜本 良隆(大阪府)
    わらしべ園作品群「ロボット」 藤森 誠(大阪府)
審査員
    兵庫教育大学名誉教授 日野 永一
    造形デザイナー 大野 巳喜男
    【審査員長】組み木デザイナー 小黒 三郎
    玩具デザイナー 寺内 定夫
    日本玩具博物館長 井上 重義
    童具館主宰 和久 洋三
    東北工業大学客員研究員 山崎 純子
    大阪教育大学教授 水上 喜行
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