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過去の受賞作品

一般部門 第7回
審査総評

審査評

 ひとつまたひとつ暮らしの身辺から木のモノが消えて行く。やはり湯は木の風呂桶に限るなんてグチ、こぼしたくないけれど、でも、プラスチックの床の家には住みたくない。アルミサッシの障子もイヤだし、樹脂のおわんで三度のめしなんて‥‥と心では思っていながら、現実は厳しい。木のモノ抜きのアルミとプラスチックでのあきらめ暮らしを、経済と工業の高度成長期以来、ずっと続けてきたばくらだが。

 大人はともかく、21世紀を背負って立つ子供達には木の無い生活をさせたくない。木と共生して人間らしく生きる大人に育ってもらいたい。そう願ってこのコンペは企画運営、すでに今回で7回目。

 今回もまたウッドクラフトと呼ぶにふさわしい木のおもちゃや遊具や生活用具が丹波年輪の里の会場に数々、野の花のような美しさで咲き乱れて‥‥日本列島にいまだ木の生活文化健全なり!感動を覚えた。

 多彩な木の色を取り合わせたミニチュアの木の家々が軒をつらねたハンドクラフトならではの「名前のない町」は、長野県からの出品。おもちゃは買わずに親が子に創ってやりましょうよ、と提言している「まるいものがいっぱい」は地元兵庫の女性の手づくり。とかく見捨てられがちな小径木とその枝を、そっくりそのまま「肩たたき」に見立てたのは南国熊本のクラフトマン。これらの提案提言が全国から寄せられていたことを、とくに評価したい。

 ウッドクラフトと横文字で書くとなんのことやら、判りにくいが、ウッドは樹や木。クラフトはハンドクラフトつまり手づくり、手仕事。いろんな木のそれぞれの特色を器や道具やおもちゃに活かす法はただ一つ、昔ながらの手仕事に頼らねば。木はプラスチックと違って金型加工は駄目。ハンドクラフトつまり、手仕事でないとモノにならない。

 バウハウスの宣言「われわれはいまいちど手仕事にもどらねばならぬ」を想い出して、ウッドクラフトで手仕事をとりもどそう。

審査委員長 秋岡 芳夫
(工業デザイナー)

大賞
作品写真
作品名 / 名前のない町
氏名 / 松本 昌人(長野県)
【作者コメント】

 西暦2xxx年、遠い遠い記憶の中、もう名前すら思い出せない、とてもなつかしい風景、そんな心の中の風景をジオラマ風に並べてみました。あなたの思い

出の町はどんな町並みですか。空き家、空き地であなた自身の町を想像してみてください。

【講評】

 子どもの掌にのるくらいの、小さな家の木片が、整然と棚の中に収められている。家の木片には風通しのよい空間があり、屋根は寄棟造りになっている。屋根の上にさまざまな形の具体的、例えば帽子、ズボン、受話器などがオブジェのようにくっついている。その家の性格を象徴する看板のようなオブジェが、この家型の作品群の特徴である。

 幼い頃に絵物語かあるいは夢の中で見たことがあるような、デジャ・ビュの感覚。もう−度訪ねてみたいと思っていた懐かしい街の風景。物語が生まれそうな、詩的なイメージへの喚起力が、この作品の大きな魅力になっている。それは多分に、屋根の上のオブジェの造形にあるようだ。いくつかの樹種を組み合わせた、色合いの変化も楽しい。

 家の他に、街全体のシンボルでもある大きな樹が一本ある。板を糸のこで切る面的な表現となっている。懐かしい円筒形の郵便ポストがある。これは丸彫りである。ブランコや電柱などは丸棒を組み立てている。家の間にこれらの造形物をレイアウトしていくと、街並みが生まれてくる。これは子どもだけでなく、大人も遊んでみたくなる、街造りのレイアウトおもちゃなのである。木片の底面が正方形なので並べやすくなっている。並べながら大通り、広場、中庭など造るのも楽しい。そう考えていくと、街を構成する要素、車などの乗り物、街のまわりの自然などの造形物も欲しくなってくる。街の真中に立って、ガリバーのように俯瞰しながら、街をデザインする楽しみ、発展させていく喜びが、作者にもあるのではないか。

 ユニットの木片の一つに銭湯があった。入口の暖簾の布(木製)が風になびいて揺れていた。掘りの技術の巧みさと、作者の遊び心が通ってくる。制作技術、造形的なデザイン感覚、遊び心、どの点を見ても大賞にふさわしい作品と、審査員一同がこれを推すのにやぶさかでなかった。

小黒 三郎(組木デザイナー)
最優秀賞
作品写真
作品名 / コッコドラム
氏名 / 滝 英夫(静岡県)
【作者コメント】

 ゴム等のマレットで羽のところ(スリットになっている)をたたいて遊ぶ。

 園児や小学生のための道具として、視覚的に楽しめ、さわると吾が出る物をと考え製作しました。打楽器の一部としても使えると思います。

【講評】

 製作者は流木使用との説明をつけているが、色斑や、肌理不揃いの根っこの部分なのか、全く利用価値の無い楢の不用材で製作されている。無造作な喙や、トサカ、丸い目、大雑把な三枚の羽根、然し全体は良い茶褐色に染められていて、実際の鶏を彷彿とさせている。安定の良い同じ材質、同じ色調の大きな基盤に力強く打ち込まれた三つ股の支え木に、実物の藁を敷いて座り込んでいる。大きな雌鳥の姿態はユーモラスで正に童画の世界であり、楽しい作品である。

 頭から尻尾まで1mの雌鳥の腹部は空洞にされている。横腹に付けられた羽根は大きく長さが有り、根元を残して三枚に切り離され、音階を求めて大きさを違えてあり、羽根には若干の弾性がある。この羽根の部分を付属の叩き棒で叩き遊ぶのである。

 床より全高1m10cmのこの作品は、児童より成人までが適応できる高さである。和太鼓が撥さばきの為の操作性や、音響効果の為に架台に載せられているが、同じ音を出す道具として「コッコドラム」の大きさは当然であり、高さは必要高であり、高さを得るのに不自然さを感じさせない発想は流石だと思います。展示効果も抜群であり、観る者に相当なインパクトを与えたと思います。

 この「コッコドラム」を中心に子ども達が叩いてリズムを取り、童謡を唄い、遊戯をすれば楽しく大人達も誘い込まれ、新しい遊びが創られることでしょう。

 玄関脇や軒下に据えられれば、来訪者を出迎え、これを叩けばドア・チャイムの役目を果たし立派な家庭用具でもあります。

大野 巳善男(造形デザイナー)
優秀賞
    子育て 蓮溪 円誠(滋賀県)
    積み木の箱 佐野 悦子(京都府)
    カオ、かお、顔 花塚 光弘(長野県)
特別賞
    まるいものがいっぱい 中山 フクエ(兵庫県)
    スーパー風見鳥 竹内 文男(愛知県)
奨励賞
    肩たたき 渡邊 金久(熊本県)
    風ぐるまシリーズ 横山 薫(岡山県)
    バランスボード 奥田 誠一(滋賀県)
    森の妖精たちのすみか 松井 けい子(兵庫県)
    リンゴール 田中 英幸(群馬県)
アイデア賞
    りんぐ 樋口 一成(愛知県)
    ベビーベット・ベンチ 東浦 誠(兵庫県)
    巣立端すたんど 三井 典比古(埼玉県)
    ウェーブバランス 中井 秀樹(東京都)
審査員
    【審査員長】工業デザイナー 秋岡 芳夫
    兵庫教育大学教授 日野 永一
    造形デザイナー 大野 巳喜男
    組み木デザイナー 小黒 三郎
    玩具デザイナー 寺内 定夫
    日本玩具博物館長 井上 重義
    兵庫県立近代美術館参与 増田 洋
    童具館主宰 和久 洋三
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