林産だより Vol.89

vol.89 平成17年9月
発行:兵庫県立丹波年輪の里
          (林産指導課)

tel0795-73-0725 fax0795-73-0727

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題字 鳳翔会主宰 塩山重夫


「たんば地域木材フェアー」
開催へ            


平成17年
11月
19〜20

県立丹波
年輪の里で

木木市も
同時開催




会場予定地
(丹波年輪の里)


 篠山市及び丹波市内の木材関連業界で構成される「たんば地域木材フェアー実行委員会」(会長 友井 正 丹波市木材林産協同組合 理事長)は、「たんば地域木材フェアー」の開催を決定した。
 日程は、平成十七年十一月十九及び二〇日の両日。場所は丹波市柏原町の県立丹波年輪の里。

丹波地域の木材業
 今回フェアーが開催される丹波地域は、兵庫県の中東部に位置。古くよりアカマツの産地として知られ、かつてはこれを利用した木製品生産が盛んとして知られた地域。
 こういった歴史的背景をもつ篠山、丹波の両市内には、木材林産業者約四十社が集中。西の宍粟、北の但馬と並ぶ、一大林業・木材業地域だ。
 さらに本地域は、豊富な森林資源(民有林人工林二万9千ヘクタール・人工林率四五%)を背景に、営々と育成されたスギ・ヒノキ林が活用の時期を迎えつつある。

現状は・・・
 しかし現状では、残念ながら工業化材料や、外国産木材が建築用材の主流。効率を追求した大量生産・消費型住宅を前提とする設計・生産が求められることが多く、安定した品質と供給が期待できる材料の要求が主な原因だ。
 このため丹波地域で産出する木材は、建築用材としての価値を十分持っているにもかかわらず、選択されるケースが減少。木材需要の落ち込みは素材生産を減少させ、育林意欲の減退を招き、結果人々の森林への関心も薄らいだ。
 豊かな森林資源に恵まれた木材業の盛んな地域でありながら、わざわざ地球の裏側から運ばれてきた木で家を建てると言う、皮肉な状況さえ生まれている。


フェアーの目的と内容
 地域産木材の積極的な使用が、林業経営意欲を呼び起こす。これにより、十分に手入れされた優良な木材が市場に多く供給される。さらに、地産地消概念の浸透や、近年の健康志向が、地場の自然素材を使いたいと言う施主の希望を生み、これも心強い後押しとなりつつある。こいうった付加価値のある製品として地域産木材が認知され、近くの木で家を建てることが自然に行われ、良い循環が形成されることを期待。
 今回のイベントでは特に、(1)優良な木造住宅を手に入れたいと考える一般県民向けに、森林保全と地域材活用の意義を啓発。県産材、特に丹波材を活用した住宅建築や木材製品PR。(2)丹波地域内外の工務店・建築士等向けに、丹波産木材の建築材を周知。さらに参加業者同士のつながりを元として、業界自身による地域産木材の生産から流通・消費にわたる新たな連携が生まれることを期待。
 丹波地域の木材・建築関連業者約五十社の参加が予定されている。



■ トピックス ■

風倒木の利用

 
 
昨年の台風は、県下に大きな森林被害をもたらした。
 約一年が経過し、搬出され資源として活用されている風倒木も多い。現時点での用途を紹介する。


チップ・パルプ




河川工事





その他




 県下各地のストックポイントに集積された風倒木は、チップ化され、製紙原料として活用されている。 最終的に丹波市の兵庫パルプ工業(株)に搬入され、クラフトパルプ(段ボール箱原紙等に使用)として再生。 同社では、本年三月から八月末現在で、約一万千立方メートルを処理。





 河川工事での使用例。(水防補助柵工)
 写真は、上郡町内千種川他の堤防で実施中の工事。
 既存の堤防高さを延べ約6千メートルにわたり、一メートル前後補助的に嵩上げする。
 丸太は、一五センチ厚にたいこ挽きされ、河川内側と外側に壁状に積み上げられる。 内部の側面と底面に吸い出し防止材(不織布)を設置し、土砂を詰める。
 使用木材は、施工延長十メートルあたり、スギ丸太末口二十センチ、長さ四メートルを二十五本。同杭末口二十センチ、長さ二メートルを十本それぞれ使用。





 山間部の風倒被害地では、筋工や柵工として表土流出を防止。また、道路法面下部の保護等を目的とした板柵工等での利用も検討されている。






“ひょうご県産木材を知る”
現地見学ツアー開催

 主に建築士を対象とした見学ツアーが開催される。
 県内林業地での素材生産、木材市場の原木流通、製材工場における製材・乾燥加工など木材の生産・加工・流通現場を訪問し、各関係者との意見交流等も開催。県産木材を使用した木造住宅の建設を推進することが目的。
 詳細、参加申し込み等は下記へ。

     主 催 兵庫県立農林水産技術総合センター 森林林業技術センター
          兵庫県農林水産部農林水産局林務課
          (後援:兵庫県建築士会、兵庫県木材業協同組合連合会)
     開催日 平成17年 10月 19日(水) (丹波コース)
             〃   11月 11日(金) (西播コース)
             〃   11月 24日(木) (丹波コース)
     参加料 無料
     申込先 兵庫県立農林水産技術総合センター 森林林業技術センター 普及部
           〒671-2515 宍粟市山崎町五十波字尾崎430
            TEL:0790-62-2118 FAX:0790-62-9390








新しい木材の利用

 県立丹波年輪の里では、これまでにも兵庫県内で生産される木材製品を展示紹介してきた。
 今回、本施設内の、木の館(きのやかた)2Fを一部改装し、「新しい木材の利用」と題し、兵庫県内で利用や開発が始まっている新しい木材製品紹介コーナーを新設。
 来館者が製品に実際に触れられるようにディスプレイした。
 さまざまな新しい使用事例を紹介することで、木材利用の啓発が目的だ。
 以下に、現時点で設置済みの二製品を簡単に紹介したい。
(今後順次増設予定)


(1)リサイクル木材

 木材はカスケード利用(段階的に別の用途に再利用)が可能な資源。建材から家具へ、また家具からチップへと形を変えながら長期間利用することができる。左の写真は、廃木材と廃プラスチックを五〇対五〇の割合で混ぜ合わせた、熱可塑性木質複合木材製品。木の素材感を活かしながらも、耐候性や防腐・防蟻性その他さまざまな物理特性に優れた新しい素材だ。
 この特性を活かし、建築物の外壁材やルーバー、また、ボードウォークや東屋。さらに公園の遊具など、主に屋外で、木質の建材が必要とされる場所での広範な用途が見込まれる。
EINスーパーウッド  製造元
 アイン・スーパーウッド(株)
 兵庫県加東郡滝野町   TEL 0795-48-0855



(2)圧縮加工木材

 木材を加熱すると材中の樹脂が溶け出す。その状態で更に圧縮すると、樹脂が接着剤の役目を果たし、圧縮された状態で固定される。一度圧縮して固定すると元の材料の一三〇〜一四〇%の硬度が得られ、傷の心配が少なくなった。
 この性質を利用し、学校で廃棄される予定だった学習机の天板に圧縮木材を使用し、再度利用できるようにした。
 また、家庭用テーブル・椅子セットやフローリングとしても、風合いを保ちながら問題なくスギ・ヒノキ材を使用することができる。
 地域の木材資源をさらに有効活用可能にした新技術だ。
杉 物語  製造元
 東亜林業(株)
 兵庫県宍粟市山崎町  TEL 0790-62-0800

 御来館の機会に、それぞれ是非見て触れて頂きたい。




県内の木工・木製品紹介
播 州:そうめん箱
 明治30年代から荒箱を製造。荒箱(あらばこ)とは、生産された素麺を倉庫で熟成させるため、モミ材でつくられた保管用箱。匂いやヤニが少ないとしてモミが使われる。 材は、宍粟市内の木材市場で全量原木調達し自社工場で製材。
 全国一の生産量を誇る播州手延そうめん「揖保乃糸」に使われる箱は、ブランドそのもの。規格に合致していることが検査され、箱には製造所名と検査員のスタンプが押される。兵庫県手延素麺協同組合全体で、年間約100万個(18kg入り換算)を生産。一度使用された荒箱は、再使用可能な部材を選別し、同様に検査のうえ再度利用される。
 ファルカタ材の化粧箱も製造。

  (株)綾部商店
  兵庫県揖保郡太子町立岡250
  tel:0792-76-0216





   木・ワード(16)
       「トレーサビリティ」
 trace(追跡する)とability(可能性)との合成語。
 元々は、計測機器の精度や整合性を示す場合に使われてきたが、近年、特に食品流通の分野で使われる事が多い。
 木材製品でのトレーサビリティとしては、住宅用建材や土木資材などで、地元産かつ一定の規格に合致することを証明する制度が各地で整備されている。
 さらに広い範囲での取り組みとして、国内ではSGEC(緑の循環認証会議)、世界レベルではFSC(森林管理協議会)に代表される森林認証制度がある。こちらは、元々の森林自体が適切に管理されていることを厳格に審査。そのうえで、生産される木材製品の流通についても追跡可能にするもの。






〜 お 知 ら せ 〜
(1)木工セミナー
「独創のチャンス」


 大阪教育大学教授水上喜行氏による永年のデザイン教育実践から、印象に残るかずかずの学生作品をとりあげ、独創的な作品成果に結びつくチャンスのさまざまを紹介。

日 時
 平成一七年十月二日
 午後二時半〜約一時間

参加料
 無料

主 催
 兵庫県立丹波年輪の里
(2)展示会
第十八回「丹波の森ウッドクラフト展」


*一般の部展示会を開催







期 間
 平成十七年九月十七日
     〜十月二日

入場料
  無料

主 催
 丹波の森ウッドクラフト実行委員会




(3)イベント
「アート・クラフト フェスティバル IN たんば」


 高い空の下、蒼く広がる芝の上に木や鉄、布や陶器など様々な素材で創られたアーティフルな作品が広がる。人々が出会い、共に新しい空間を創り出す。


期 間
 平成一七年十月一〜二日


入場料
  無料

主 催
 アート・クラフトフェスティバルINたんば実行委員会
開催場所
(1)〜(3)全て兵庫県立丹波年輪の里 丹波市柏原町田路
  tel:0795-73-0725