林産だより Vol.84  

vol.84 平成16年11月
発行:兵庫県立丹波年輪の里(林産指導課)

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題字 鳳翔会主宰 塩山重夫






 木とふれあい、
 人とのふれあい









ひょうご木材フェア開催
 〜第19回 西神中央で約一万五千人を集める〜

 人と環境にやさしい木材に触れて暖かさを感じながら、暮らしのなかで自然との共生について考えてもらうことを目的に、去る十月一七日(日)、第19回ひょうご木材フェアが神戸市西区の西神中央プレンティ広場で開催された。
 当日は木工芸品や木造住宅情報に接したり、即売品を買い求める一般客が多数来場。爽やかな秋の日差しにも恵まれ、賑やかな一日となった。

暮らしの中にもっと木材を
 開会式では、主催者の兵庫県木材利用推進協議会 野村昌弘会長が「兵庫の森を守り育て、暮らしの中に木材をもっと取り入れていただくため、今回の木材フェアを開催しました。地球環境や人に優しい素材である木材のさらなる活用を目指したい。」と挨拶。

県内各地から二八団体が出展
 兵庫みどり公社は木製ベンチやプランター販売。実井木工所は木製玩具、健康器具の販売。ひょうご木の家事業化推進協議会は木造住宅模型の展示。ウッドヘッド研究会は竹材活用製品や木彫体験。
 また、東亜林業はスギ圧縮材を使った家具や新開発の床材を展示した。その他会場内では、県産きのこの即売会が人気を集め、無料で配布された純ヒノキのおがくずを求める人々の列も見られた。








県産木材需要拡大
      優良事例コンクール表彰
 開会式では、県がすすめる「ひょうごの木造・木質化作戦」のもと、県内公共木造施設の建設や木材製品の生産流通活動の分野における意欲的な取り組みに対する団体等の表彰も行われた。各賞は次のとおり。

*最優秀(知事賞)
   神崎町立越知谷第一小学校
*優秀(県議会議長賞)
   波賀町保険福祉施設
        メイプル福祉センター
*優良(県産木材利用推進 協議会会長賞)
   米里体験交流センター


越知谷第一小学校

■ トピックス ■

材料支給方式で交流施設建築
木材の交通整理を外部専門家に〜多可郡黒田庄町〜

岡交流施設(仮称)の完成予想図


 多可郡黒田庄町では、同町岡地区での木造施設建築工事に町有林材を使用し、地域資源の有効活用をはかる取り組みが進行中だ。
 同町では事業の実施にあたり、木材料を本体工事とは別発注とする事で、まとまった量の地域材使用や工期の制約など公共事業の厳しい要求をクリアしつつ、今後の地域木材活用のヒントとなる新しい手法が採用されている。 

施設規模等
 木造軸組平屋建。延床面積四五七平米。使用木材百十九立米。総事業費約一億一百万円(一部国庫補助)。
事業の採択と地域木材
 黒田庄町では、国庫補助のある「木の香るまちづくり事業」の採択を目指し、昨年度より計画策定作業をすすめてきた。採択にあたり、構造は木造であることと、先駆的な取り組みを行うこと他が求められている。このため本事業では、(1)スギ材による屋根トラス架構(2)床仕上げ及び腰板に
スギ圧縮材を使用(3)無垢厚板の使用で防火関係をクリア・・・の3点を計画したところ認められ、その他関連事業の実施も加え事業が採択される運びとなった。
 実施にあたっては前述のとおり木造施設であることから、地域資源の有効活用の考え方をもとに当初から地域産木材の使用が前提。
 その木材だが、建築予定地上流の同町門柳字門柳山には、町と地元との間で交わされた分収契約林(町有林)があり、近々抜き伐り施業等のための作業路が設置されることになっていた。このため、工事で発生する支障木と林内からも一部利用し地元産木材の有効活用を、という流れで話がすすめられてきた。
 しかしいざ本格的に事業を開始する段階になると、木材料面で数々のハードルが待ち受けることに。
 このあたりのことについて、事業主体である黒田庄町役場に取材した。

コーディネーターがアドバイス

 「作業路敷の伐採予定木がはたして使えるものなのかどうかすら、役場職員には当初分かりませんでした。」と、産業課吉山さんは言う。
 「木材料込みで一括発注しても、受注者である建築業者が直接立木を伐採、搬出、さらに製材するわけではありません。構造材で百立米以上あるなかの一定量を町有林から確実かつ要求品質を満たし、建築現場に届けさせることは、検討の結果相当な努力が必要だと言うことがわかりました。地元の木材を使うということも重要な目的のひとつですから、なんとかこれを上手くすすめる方法はないかと思い、県社農林振興事務所に相談することにしたのです。」と言う。
 県事務所では、伐採から製材品になるまでの流れを適切に交通整理する外部専門家を紹介されることになる。
 このケースでは、構造材を中心として木材料調達に関するアドバイスを外部専門家(=木材コーディネーター)に依頼している。木材料の分離発注に必要な費用見積の助言をはじめ、林内の、どの立木をどの部材として使うかといった詳細な原木選定や管理など、山と製材の両方に明るい専門家でなければ困難な部分を委託。これでようやく建築工事と木材料を分離し、スムーズに発注することができたという。

山から現場までの流れ
 木材の流れを簡単に整理すると次のようになる。
 まず発注者(役場)は、コーディネーターによる伐採予定地調査をもとに、木材料にかかる予定金額を算出する。
 作業路工事後、立木調査を元に入札が行われ、納材業者が決定される。今回は加美町森林組合。
 納材業者は、山土場から製材所(数社に分散)に原木を持ち込む。乾燥や製材の後、製材品は納材業者倉庫に一時保管される。
 製材がひと月ほど先行するなか、一方では建築工事の発注が行われる。
 建築のすすみ具合を見計らいながら、木材に関してはコーディネーターが製材所で製品一本ごとに工程管理等の助言を行い、さらに役場と共同して木材検査を行う。
 建築業者は工事の進度に応じ、納材業者倉庫で納品を受ける。
 建築の現場では設計事務所の監理とともに、その後もコーディネーターが木材保管などについてのアドバイスを行う。
 プレカットなどによる継手加工以降は、建築業者側の分担だ。








部材ごとにラベリング

木材コーディネーター能口氏に聞く
 今回黒田庄町役場から委託を受け、木材コーディネートを行う(有)ウッズ Ws Ltd.,Co.代表取締役 能口秀一氏に話を聞いた。

 そもそも木材コーディネーター業と言う、いわば特殊な仕事に携わることになったきっかけは?

能口氏:以前私は県内の製材所に勤めていました。そこでは、市場や山で原木の買い付けから木材加工、また、工務店への納材など原木が製品になるまでの木材全般に携わってきました。考えてみると、素材業者の後ろには森林所有者がいますし、工務店の後ろには一般消費者である施主がいます。そこで、流通の両端をそれぞれ一歩ずつ外側に踏み出すと何か新しいことが
できるはずだと考えたわけです。
能 口 氏
 ―
今回は公共物件ですが、そのコーディネートはというと?

能口氏:一般民間木造住宅でもそうですが、木材の流れを初めから終わりまで、一人がずっと見守ると言うことは現在の流通形態ではほとんどないことです。原木から製品に至るまで同じ人間が管理することで、産地や、かかるコストを明確にすることができます。また木材の特性をふまえた、設計側への提案もできるわけですし、実際にそのような活動をしています。
 ただ、公共物件になると、比較的大きな部材が使われます。それを地域材にしたいから見積もりして欲しいと言われることがありますが、部材が特殊になるほど、地域材で賄うことが難しくなっていきます。
 設計にあってもその地域に無いのなら、これはどうしようもない。木材は自然素材ですから、計画どおり調達できるとは限りません。こういったケースでは、範囲をすこし広げて流域内からとするなど、できるだけ近くから適切な原木を探してくるわけです。また、部材が大きくなってくると、要求される品質で確実に納品できる乾燥・製材技術にも、自ずと高いものが要求されます。製材能力や技術力に従い、どの製材工場にどの部材を振り分けるかといった事も考えることが必要になってきます。

 工程管理にも特徴が?

能口氏:本格伐採前の試し製材で山の傾向を把握しています。これで原木のロスはかなり少なくなります。 さらに今回のケースでは、部材一本ごとに詳細な管理表を作成しています。部材の製作進度が一目で把握できます。これを元に納材、製材、建築の三者が適宜対応できるよう、木材料について週一回工程会議を行っています。

 コストとの兼ね合いは?

能口氏:建築費全体に占める木材料の割合はわずかです。地域材を使うことでのコストアップが仮にあったとしても、材料費で何倍もの要求をしている訳ではありません。地域材を使う意義と、かかるコストとの兼ね合いについては、行政側で考えていただきたいことではあります。

 今後の課題としては?

能口氏:この程度の木材料であれば、地域材を多用することにそう大きな問題は無いと思います。
 今回は立木伐採の直前からでした。今後もし設計段階から関わる事ができるとすれば、試し製材を元にした設計への提案や部材の標準化提案によって、より効率的な地域材利用が可能になると思います。製材の面では、公共物件で使われることの多い長尺物などを乾燥・製材する場合、設備がどこにでもあると言うわけではないこと。さらにそういった製品をつくる製材技術そのものも、もっと向上させる必要があると思います。
 公共物件は、厳しい品質管理や納期のスケジュール管理が要求されますが、今回試みた手法で十分対応できることが分かりました。

 ありがとうございました。


一一月に棟上げ

 建築工事全体の完成は、平成一七年三月を目標。 
 地域木材の活用が叫ばれる中、現場では様々な問題が指摘されることもあるという。今回の取り組みは、公共建築物での地域木材活用に有効な手法であり、今後に繋がる示唆に富む事例であると思われる。

黒田庄町役場産業課
  0795-28-2121

(有)ウッズWs Ltd.,Co.

 0795-88-9635
 http://www.wudz.ws/




大 好 評 ! ログハウス基礎講座
 
 平成一六年十月二十四日、県産スギ丸太を使ったログハウス製作研修会が開催された。主催県立丹波年輪の里、後援(株)木栄。開催場所は丹波年輪の里(丹波市柏原町)。 
 爽やかな晴天の当日、県内からログハウスに関心のある十五名が参加。
内容は、ログハウスづくりの基礎講義と加工実技。スクライバーと呼ばれる道具で型をとり、実際にチェンソーワークを体験。
 自分たちで加工したログがぴたりと組み合わさる姿に、参加者からは自然と拍手が沸いた。
 鳥取市から招いた講師((有)紀幸)二名の親切な指導もあって、次回も是非参加したいと言う声や、さらに高度な内容をとの声も。大好評だった。





県内の木工品紹介
篠山・化粧こも樽

 正月や祝いの席に欠かせない日本酒のこも樽づくりが晩秋から年末まで最盛期を迎える。こも樽はムシロをかぶった樽の意味で、職人の手で大小4種の縄を使用して締め上げられ固定。以前は稲ワラや畳表のイグサが使われたが近年は化学繊維が主流。昨年6月に国際環境規格「ISO14001」を取得。
         (株) 畠 賢 治 商 店
    篠山市今田町釜屋434-2 tel:079-597-2229




木・ワード(11)
  「伏図」
 住宅の設計図で、木造の場合、壁や床を支える胴差、床梁、火打梁その他のサイズや配置を表現する図面。
 二階の床を支える場合二階床伏図、一階の屋根を支える場合一階小屋伏図と言う。
 近年の住宅建設では、現場での加工は少なくなり、多くはプレカット工場で加工された部材を組み上げる方式が増えてきた。設計者の手元で住宅の平面、立面形状が決まれば
物件はプレカット工場に送られる。工場では専門技術者により架構が決定され、製作にとりかかる。
 このため近年では、設計者(建築士)の段階で伏図を作成するケースは減ってきており、替わってプレカット工場の技術者に架構のノウハウが移っていると言う。
 このような状況のなか、一般民間住宅規模の設計を担う事が多い二級建築士の資格試験で、本年度、約二十年ぶりに伏図が出題され話題となった。




〜 お 知 ら せ 〜
  秋の「木木市」 (材木屋さんのフェスティバル) 開催

  年輪名物「木木市」がまたまたやってきた!
  製材工場に眠っているいろんな木材がゾクゾク大集合。お探しの木が見つかるかも?

  平成十六年十一月 二十七、二十八日開催
  場 所 丹波年輪の里
  主 催 氷上郡製材協会

  同時開催  左官工房「和(なごみ)」による 壁の塗り替え 相談会(二十八日)