vol.78 平成15年11
発行:兵庫県立丹波年輪の里(林産指導課)

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【題字】
鳳翔会主宰 塩山重夫

やっぱりいいね、木のぬくもり
JR神戸駅南地下街「デュオドーム」を会場に約1万人が入場
第18回
ひょうご
木  材
フェア
開  催

  楽しみながら木の良さを知ってもらい、木材・木製品に対する県民の理解を深めてもらうことを目的に
10月19日(日)、第18回ひょうご木材フェアが開催された。当日は、木材を活用した工芸品・家具・住宅模型
などの展示を見学し、即売品を買い求める一般客が多数来場し、にぎやかな一日となった。
地産地消
地元木材の活用を

 開会式では、主催者の兵庫県木材利用推進協議会 竹内弘会長が「木はいいものだ、と言うことは、
一般の方々に認知されてきた。兵庫県内にはたくさん木がある。地元の木材を使って頂くことについて、
我々としては、どのように供給していくか、また、さまざまなニーズに応えられるかと言うことを、
さらに研究したい。」と挨拶。

県内各地から
19団体が出展
 会場内では、出展の木材関係者がそれぞれに趣向を
凝らした展示が見られた
 神戸木材協同組合は、実物の柱を使った住宅模型の展示。
ネーチャーハウザー丹波は、丹波材を活用した木造住宅
相談会。実井木工所は、木製玩具や健康器具の展示販売。
(社)兵庫みどり公社は、木材や木製フラワーポットなどを
販売。また、森と地域のゼロエミッションサポートクラブは、
ペレットストーブや生ゴミ処理機の展示。農林水産消費技術
センター(神戸)は、JAS規格制度の紹介や各種試験器の
デモンストレーションをおこなった。
消費者との
つながりを大切に
 美嚢郡吉川町から参加した、戸田竹芸店の戸田和孝さんは、「前回フェアのお客さんが今日も朝から
お見えになり、目当ての品物を購入されました。竹とんぼ作りをアドバイスしてあげた方は、地元の
ボランティア活動に生かしておられるそうです。このイベントでは、物を売るだけでなく、人とのつながりも
大切にしたい。」と語っていた。
県産木材需要拡大優良事例コンクール表彰も
開会式では、県産木材製品の生産・流通・加工分野での意欲的な
取り組みに対する団体等の表彰も行われた。各賞は次のとおり。

*最優秀(知事賞) 
*優秀(県議会議長賞)
*優良(県木材利用推進協議会会長賞)
協同組合 しそうの森の木
 (有)ウッドワーク丹波
東亜林業株式会社
ひょうご
木のすまい
モデル住宅


 構造材の種類が半分に 

 本年7月に誕生した、「ひょうご木のすまい建築市場協議会」が、モデルハウスを建築中だ。
 同協議会は、兵庫県がすすめる、ウッディビジネスパーク構想のなかで提唱されている「ひょうご木の家ビジネスモデル」に沿った、木造住宅を建築する企業二十社のグループ。 協議会では、再生産可能で、性能・品質が明確な、県産木材を使った住宅を供給していくという。
 「ひょうご木のすまい」とは、「ひょうご木のすまい建築マニュアル」のルールに基づき、技術的に標準化された工法で建設された住宅のブランド名(商標登録申請中)。
 ルールでは、在来軸組工法を基に、県産スギ4寸角を主体とした構造材や工場生産パネルによる壁・屋根を基準とする。
 モデルハウスは姫路と芦屋でそれぞれ建築される。

 材料の標準化で
     コストダウン


 木材に関する姫路モデルの特徴は、構造材の寸法種類を通常の半分に押さえたこと。たとえば、胴差(どうさし)の交差する部分(グリッド)に、通し柱を配置し、さらに最大スパンを4P以内としている。このことで、梁の寸法をおさえ、統一化をはかっている。
 断面が大きくなる場合、一八〇×一二〇o、または、一二〇×一二〇oの材を重ね合わせ、Dボルトで接合(右下写真)。これにより、構造材の種類を増やさずに済むという。
**建 築 進 む**
 モデルハウス見学会で説明を担当する、同協議会会員の(株)山弘 三渡保典さんによると、「原木の中目部分を梁材として使用できるなど、素材の用途範囲を広げました。合わせ梁とすることで大径材を使用する必要がないので材料コストを抑えることが出来ます。また、間伐材の構造材利用も可能です。」という。
 そのほかにも、「断熱材にリサイクル材から作られた、セルロースファイバーを使用しています。工場でパネルと一体に作製し、大量生産することにより、パネルも材料面・施工面ともにコストを抑えています。」とも。
 土台はヒノキ。柱・梁にはスギを使用。二階建。延べ床面積109u。
 本年十一月二十九・三十日に完成見学会を予定。
 芦屋モデルは
    スキップフロア

 一方、芦屋で建築されるモデルハウスは、延べ床面積116u。
 二階建てだが、内部は五層の「スキップフロア」形式。目の高さに次の階がくることで、連続感と同時にプライベートな空間も演出することができる。
 「ひょうご木のすまい建築市場協議会」が事業主体となり、国・県の補助を受け取り組まれる。姫路モデル同様「ひょうご木のすまい建築マニュアル」のルールに基づき、規格化された木材を使用。十一月八・九日に構造見学会を開催。

 問い合わせ先
 ひょうご木のすまい建築市場協議会
 tel 0798-39-1102
 メーカーを訪ねて

品質にこだわる
    国内屈指の集成材メーカー
(株)長 尾 伊丹工場
(伊丹市)
 大阪空港にほど近く、高速道や幹線道が行き交う交通の便の良い工場地帯の一画に、(株)長尾 伊丹工場がある。

 会 社 の 沿 革
昭和十四年、大阪で木材建具の製造販売を始める。 昭和三十二年、法人組織化。その後昭和四十八年、大阪府豊中市で集成材の生産を開始、昭和六十三年兵庫県伊丹市に集成材工場を新築。 豊中、伊丹とも集成材構造用のJAS認定工場だ。

 生 産 の 概 要
 伊丹工場では、主に小、中断面の構造用集成材(柱・梁)を生産。月産約5,000立米。これを105角の3m材に換算すると、約15万本。平均的な民間住宅であれば、1,700〜1,800戸分にも相当する量。製品は5〜6割を大手住宅メーカーへ。また、2〜3割をプレカットメーカーにそれぞれ出荷。原材料は、主に北欧(スウェーデン、バルト三国)などから輸入のスカンジナビアスプルース(ホワイトウッド)。梱包されたラミナ状態で工場に運ばれる。
 

(株)長尾 伊丹工場
 伊丹市口酒井
tel 06-6499-8055
 次々と仕上がる製品
 コンパクトにまとまった工場の中では、木材がさまざまな加工機械のなかを流れるように行き交う。長方形断面のラミナが手際よく仕分けられ、みるみるうちに5枚6枚と積み上がり接着され、それぞれの規格の構造材に仕上がっていく。
 ラミナを吸い、梁や柱に姿を変えて出てくる。工場全体が、まるで一つの精緻な工作機械のよう。感覚的には木材を扱っていると言うよりは、工業製品の生産工場という感じだ。
 原材料の2〜3割ほどは成型の過程で切断され、削られるが、それらはプレス用の蒸気発生と発電に活用。このため工場内に端材、鉋屑などは、ほとんど見あたらない。

 品質へのこだわり

 同社 長尾榮治専務は、「特に気をつけていることは、最初から最後まで品質管理。これにつきる。大事なのは機能、加えてクレームの無い製品づくりです。」と説明する。言葉の端々に品質へのこだわりがにじみ出る。今話題のF☆☆☆☆には既に対応済み。ノンホル接着剤による加工も可能。室内住環境面での配慮も怠らない。
 一方、国内の森林環境面では、「日本の国土を守ることは重要。そのためには、スギ、ヒノキを活用することには意義があると考えています。しかし手入れ不足の山が多いのは残念。国産材が、様々な面で納得のいくものであれば、むしろそちらを使いたいと思っています。森林環境に配慮し、国内の木材資源を有効に使っていこうとするならば、これからは、特にスギの集成材化で、この問題を考えていくことも必要ではないでしょうか」とも。
 圧倒的な量と品質。学ぶべきところは多い。

県立農林水産技術総合センター森林林業技術センターからの研究報告
(木材利用部 山田主任研究員)
高温乾燥の得失
 近年、九州大学の藤本氏や長野県林業総合センターの吉田氏が、心持ち材特有の収縮異方性に伴う外周のV字割れを防止するために、乾燥初期から高温低湿条件で乾燥させる方法を見いだしました。これは、材温が高温になり水分が離脱していく際、木材の粘性が増加するという性質を利用してこの割れを抑制しようとするものです。このことは、内部割れや表層付近の落ち込み(写真)が生じやすくなります。そこで、内部割れを防止するために乾燥中期以降の乾燥温度を低くする等の検討が行われています。
 また、高温乾燥を施すことによって、次の様な材質に対する影響が考えられます。
 (1) 材色の暗色化
 (2) 脆性の増加
 (3) 耐久性の低下
富山県林業技術センター栗崎氏が、高温乾燥を施すことにより心材部分の耐久性が低下したと報告しています。当センターではスギ高温乾燥材を曲げ試験した際、試験材は非線形領域がほとんどない脆性様破壊を示しました。しかし、高温乾燥材の材質についての詳細なデーターは乏しく、構造材として高温乾燥材を利用する際、材質の劣化等について詳細な検討が必要であると考えられます。
 写真 落ち込みが発生した細胞
      (スギ木口面)
県内の木工品紹介 但馬・豊岡杞柳細工
 平成4年に国の伝統的工芸品に指定される。 
 コリヤナギの素朴で柔らかな粘りを生かしながら、職人の高度な伝統技術と人のぬくもりを感じさせる。柳行李やバスケット類、インテリア用品など数十もある技法を用い、商品分野は多岐にわたる。


 兵庫県杞柳製品協同組合
(豊岡市赤石1362Tel:0796-23-3821)


〜 お 知 ら せ 〜
木材研修会開催  「県産材の活用と新たな取り組み」
*概  要  公共建築における県産 材の利用方法とその可能性。一般民間住宅での新しい取組紹介。
*講  師  田原建築設計事務所 代表 田原 賢 氏
        (協)しそうの森の木  代表 三渡 啓介 氏
*日  時  平成十五年十二月三日 午後一時三十分から
*場  所  兵庫県立丹波年輪の里 木の館 研修室
*参加費   無料
ミニ情
お待たせしました!
 丹波年輪の里定番 秋の「木木市」 開催決定!!

 製材工場に眠っていた端材・半製品などを一挙放出。思わぬ掘り出し物が見つかるかも。
 DIYにいかが?。

*日  時  平成一五年十一月 二十二・二十三日  午前九時三十分から
*場  所  兵庫県立丹波年輪の里   木の館 1Fホール
*主  催  氷上郡製材協会     tel 0795-73-1218