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vol.77 平成15年9月
発行:兵庫県立丹波年輪の里(林産指導課)
tel0795-73-0725 fax0795-73-0727
e-mail wood@hk.sun-ip.or.jp
http://www.hk.sun-ip.or.jp/wood/
【題字】鳳翔会主宰 塩山重夫
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「やっぱりいいな!」
木にかこまれて |
| 学童保育で内装に木材を使用 |
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明石市立人丸小学校内の学童保育室で、県産木材を使ったフローリング工事が夏休み前に完成し、好評だ。
これは、兵庫県がすすめる「ひょうごの木造・木質化作戦」を支える三本柱のひとつである「暮らしの中に木材を
取り入れる運動」の一環として、兵庫県木材業協同組合連合会が実施したもの。
県民に身近な施設でモデル施工し、木材の良さを実感してもらい、県産木材の利用を促進することが目的だ。
同小に取材し、室内で遊ぶ児童に聞いたところ、「きれいになってよかった」、「木のにおいがする」、
「ひんやりとして気持ちいい」など、総じて好評。
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また、児童を預かる指導員の方からも、「部屋が明るくなった」、「以前の古い畳のときはチリやホコリで大変だった。ハウスダストの関係か、アレルギーのある子の症状が軽くなったようだ」との声。また、木に関心のある児童からは、「木は二酸化炭素を吸うんだよね、節はどうしてできるの?木のことをもっと知りたいな」と、取材に訪れた我々に、木について熱心にたずねる一幕も。身近に木材が使われることで、森林・林業教育のきっかけ作りの効果もあるようだ。
本事業が取り組まれた経緯について、明石市を管轄する県加古川農林水産振興事務所に聞いてみた。それによると、実施に先立ち、市教育委員会を通じて市内各学校に照会したところ、市立人丸小学校で学童保育室として使われている部屋の、特に畳敷きの改装が検討されており、同小から希望の申し出があったと言う。
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このため、事業主体である兵庫県木材業協同組合連合会と加古川農林水産振興事務所林業課及び人丸小学校、同PTAとが協議のうえ、今回、取り組まれることとなった。
本年度は、県内約十箇所で木質化内装工事が実施される予定。
問い合わせは、兵庫県庁林務課(TEL 078-362-3466)または、
兵庫県木材業協同組合連合会(TEL078-371-0607)まで。
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県内木材製品の展示
*相談会も同時に* |
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県内で生産された木材製品(家具、遊具、内装材、説明パネル等)の展示会が開催されているこの催しは、「ひょうごの木造・木質化作戦」の一環として、暮らしの中で、木材の利用方法を提案することが目的。神戸・姫路その他地区の各所で行われており、期間は、十二月までを予定。
土日など来客の多い日には、木材利用相談会も開かれる。詳しくは、兵庫県庁林務課まで。
(写真は、姫路市飾磨区の姫路リバーシティーショッピングセンター内) |
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■「木」になる話題■
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| 無垢材はファイブスター?? |
〜建築基準法改正は、
林業・林産業界にとって追い風か〜 |
本年7月1日から、改正建築基準法が施行され、シックハウス規制が強化された。
林産だより本年5月号でも紹介したように、壁紙や合板その他を生産する各住宅用建材メーカーでは、自社製品の低ホルム化を進める動きが活発だ。 規制強化により、住宅建材業界は低ホルム化対応に追われている、しかし、接着剤などを使っていない無垢木材については、この規制は受けない。今回の規制は、住宅用建材から発生するホルムアルデヒドの発散規制と、換気の義務付けなど。したがって、スギ・ヒノキなどを使った無垢内装材は、ホルムアルデヒドを発散しないとして、使用制限がないと言うことだ。
シックハウス対策が法律で明確に打ち出されたことで、逆に言うならば、「無垢材は、規制されることが無いほど健康によい建築材料」と宣伝されているようなもの。
水や空気、温暖化防止など、木材を使う意義は大きい。さらに、素材の良さをいかした無垢木材を使うことが、それらに加えて、健康被害の防止というアドバンテージを得たことになる。また、「なぜ、今、木材なのか?」との、素朴な疑問に対する有力な答えが、ひとつ加わったとも言える。
しかし無垢内装材生産も手がけるビルダーに聞くと、「一般の施主には、まだこの法改正は、あまり浸透していないようだ」との声。セールスの現場や具体的な仕様の打ち合わせの際に説明はするが、今ひとつピンと来てもらえないことが多いらしい。
昨今の健康志向で、木造・木質化住宅を求める一般ユーザーに、木のよさを訴える強力な材料となるはずだが、現状では、うまく伝わってはいないと言う。しかし、健康を前面に打ち出す根拠を得たかたちなので、「これを機会に、PRに努めたい」とも。
ファイブスターと言う規格はない。しかし無垢材メーカーにとっては、新建材を超えると言う意味でのキャッチフレーズで販売につなげたいと言う気持ちではないだろうか。
住宅販売の最前線のみならず、林業・林産業界全体にとっても、追い風であることは間違いないはずだが。
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| 無垢木材ピーリングと珪藻土を併用し、健康とデザイン性をアピール
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| 木・ワード(5) |
| 「森林GIS」 |
GIS=Geographic Information System、地理情報システム。
GIS技術により、コンピュータ画面上の地図を見ながら、地形その他の情報を把握できる。地図上の、ある範囲のデータを、検索、一覧表示などもでき、利用者が求める形態に情報を抽出・集計することが可能となるシステム。
人手に頼る従来の手法では不可能であった膨大な作業の高速化、精度の高度化・均一化、情報の再利用など、可能性は非常に大きい。これを森林管理に応用したものが、森林GIS。
例えば、森林簿(樹種・林齢・面積などを台帳化したもの)と林道・作業路網データとを組み合わせると、利用できる森林の範囲や蓄積量などを表示できる。
森林計画への応用や、さらに、山地災害危険地データとの連携による防災面での活用など、用途は広い。 |
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安田哲也アトリエ一級建築士設計事務所(氷上郡氷上町) |
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建築家 安田哲也さん |
京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科卒。青年海外協力隊員として、2年間アフリカで建築指導を経験。
「日本とはまったく異なる文化、環境のなかで得たものは、すまいに関して言えば、その土地にある材料で家を作ると言うことです。」と自然環境と建築材料の関係についての自論を展開。「この日本で木を使う理由は単純。そこに存在するから。しかし、そこには、大きな意味があります。何も、木だけでしか家を作れないわけではありませんが、遠い過去から、日本人の生活のなかで淘汰されて来た結果の木の家であると考えると、そこには、それなりの重みがあるはずです。アフリカでは日干し煉瓦の組積造(そせきぞう)。なぜなら、それがもっとも効率が良いから。日本では、さまざまな意味で、最も効率が良いのが木の家なのです」と語る。ごく狭い意味では他の方法が安価であったりするのかもしれない。 |
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しかし環境に与える負荷、日本の社会全体に与える影響を考慮すれば、木の家づくりには一日の長があるはずとの考え方。一方、実際の家づくりの場面では、「木造住宅を勧めるうえで建主の満足とはなにかと考えると、ひとことで言えば、それは、建主が、その家について全てのことを知ると言うことではないでしょうか。身近にある県産木材なら、素材の出生から建築部材となるまでの過程すべてを知ることができます。そこには、お金に換算できない満足感があるはずです。資材の動き、それに関わる人の動き、資金の動き、そして、それを知る過程での建主の苦労さえも、自身の家については何でも知っていると言うことでの満足感が、そこにはあると考えています。」 さらに、この発想をもとにして、新しいビジネスモデルを考えていると言う。
「建主と森林所有者を太い線で結ぶことを核として、例えば、農家が自慢の米を都会の消費者にダイレクトに販売するように、木についても、自身の山の木を買ってほしいと森林所有者自らが動き出すような、新しい仕組み作りを始めたいと考えています。」
また、既存流通システムの矛盾面をこう指摘する。「郡部に住む建主にさえも、自宅の裏山に生えている木で住宅をつくることが可能だということが理解されていないのです。この事実は驚きでした。どこか遠くで育てられた特別な木だけしか住宅用には使えない、と普通の人々は考えているようなのです。これではだめだ。山で伐採された後、複雑な流通を経て建築現場に来るまでの過程が、ブラックボックス化していることの弊害ではないだろうかと思います。またこのことが、山元にとっても、自分の手を離れた後の事がまったく分からないため、材価が安くても、何もいえないと言うことの構造的な原因ではないでしょうか。この状態は、森林所有者にとっても、建主にとっても不幸なこと。ここをダイレクトに結び付け、木材を供給していく過程で、建築家や木材産業が関わっていくと言うスタイル、生産者と消費者の二者が主人公であるといったストーリーを確立したいと思います。」
既にこの考え方を取り入れた木造住宅が、氷上郡春日町内で建設中だ。
一方、自身の理想をさらに発展させる試みも始めている。山で伐倒され、そのままにされがちな間伐材では、「細くて、長さがまちまちの木があるのなら、それでできる建物にすればいい、と発想を変えるのです。アフリカの家がそうであるように。そんな木材でも、デザインすれば美しい建物ができるのです。」
流れるような屋根の美しい構造物の模型(写真)を拝見した。
安田さんは、家づくりを素材の生産・流通の過程から問い直す建築家として、今後の活躍が期待される。
安田哲也アトリエ
一級建築士設計事務所
tel 0795-82-1430
http://homepage3.nifty.com/Tets-HP/
丹波年輪の里ホームページからリンク有。施工事例などの紹介も。
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県立農林水産技術総合センター森林林業技術センターからの研究報告
(木材利用部 山田主任研究員) |
| ス ギ 中 空 材 の だ ぼ 接 合 |
| スギ心持ち材の乾燥速度を向上させ、かつ乾燥割れの発生を防止するため、木口面の中心部分に長さ方向に貫通する孔を設けて(中空材)乾燥する方法が試みられています。この中空材を木造軸組用構造材として利用する場合、貫通孔の存在による諸強度への影響が問題となります。そこで、貫通孔を利用した木だぼによる接合を試みました。極めて低含水率にしたスギ材のだぼを用い、この木だぼの含水率の増加に伴う膨潤によって接合強度を増加させる方法について検討しました。その結果、だぼを押し込む試験において、気乾状態でだぼ径と穴径がほぼ一致する場合に最も大きい接着せん断強さ(約70kgf/cm2)が得られました(図参照)。また、そのだぼを用いて2本の中空材の木口面どうしをだぼ接合して引張試験した結果から、直径40mmのだぼを25mm埋め込んだ場合、引き抜き抵抗として、約1600kgf見積もることができます。この数値は、一般的に用いられている接合金物を用いた接合の引き抜き抵抗に匹敵する値です。したがって、繊維と直交方向のだぼ穴についてさらに検討が必要ですが、スギ中空材を木造軸組の柱材に用いる際、この接合方法を仕口に利用できることが可能であると考えられます。 |
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| 県内の木工品紹介 |
小野・播州そろばん |
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100近い製造工程や高度の伝統技術により昭和51年に国の伝統的工芸品に指定。材料は、そろばん珠にカバやツゲ等が使用され、竹ひごにはマダケ、枠は黒檀等が使われる。また、そろばん珠から考案された珠のれんなどの製品も多彩。
播州算盤工芸品協同組合
(小野市本町600 0794-62-2108) |
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| お 知 ら せ |
| 県立丹波年輪の里ホームページでは、木造住宅設計・施工者リストを掲載中。兵庫県内にて、優良な木造住宅の設計あるいは施工ができる方で、リストへの掲載希望を受け付けている。詳しくは下記まで。 |
http://www.hk.sun-ip.or.jp/wood/rin/list/ |
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