vol.75  平成15年5
発行:兵庫県立丹波年輪の里(林産指導課)
tel0795-73-0725 fax0795-73-0727
e-mail wood@hk.sun-ip.or.jp
http://www.hk.sun-ip.or.jp./wood/
【題字】
鳳翔会主宰 塩山重夫

キーワードは、「消費者にとって解りやすい」
平成14年度 森林・林業白書から
 林野庁が作成した「森林・林業白書」がこのほど公表された。 今回の白書は、
 (第1章)森林の減少・劣化が世界的に進行
 (第2章)地球温暖化防止及び生物多様性の保全のため、森林整備の推進が必要
 (第3章)林業経営が依然として厳しい状態にあり、生産性向上や経営の集約化が必要
 (第4章)木材の利用推進のための供給体制の確立
 (第5章)国有林野事業の改革・・・などから構成されている。
需要拡大と価格表示 やはり消費者がメイン
 このなかで、とくに目を引く部分は、第4章で指摘されている「消費者に理解されやすい価格の表示」だ。
(図)森林・林業白書から抜粋
 白書では、挿絵をつかって説明している。(上図)
 立木、丸太、製材品の各状態で、それぞれ1本あたり価格と1m3あたり価格を併記し、長さ、太さ、本数の変化と、価格の変化をわかりやすく説明している。
 消費者に対するこういった説明が今後ますます必要になってくるだろう。
 一方、需給動向としては、経済情勢の影響を強く受ける形で、木材(用材)需要量が減少しており、昭和58年以来の低水準(平成13年9,124万m3)。これは、一戸建て住宅の落ち込みに大きく影響を受けているとしている。
 また、新しい動きとしては、大工・工務店、森林所有者等が連携し、地域材を利用した「顔の見える木材での家づくり」が各地で展開されていると言う。
 さらに、品質・性能の明確な木材製品が求められ、集成材に対するニーズが高まっており、国産材を原料にした集成材利用の動きも、少しずつではあるが増加しているとしている。
持続可能な森林経営を
  第1章では、森林の減少・劣化により、かつての木材輸出国が輸入国に転じるなど、大枠での木材需給関係の変化や、化石燃料の消費による二酸化炭素濃度の増加、砂漠化の進行などの地球環境の悪化が危惧されることが説明されている。一方、わが国においては「資源として利用されないことによって適切な整備が行われず、世界の森林とは別の形で、森林が劣化するおそれがある」とし、世界有数の木材輸入国であるわが国は、「成熟する国内の森林資源を十分に利用していくことも国際社会の一員としての責務である」としている。 
◇ ◆ ◇ ◆

さらに使いやすく!! 
県産材利用木造住宅融資の利率が2%固定に
融資額は最高2千万円
 正式名称は、兵庫県産木材利用木造住宅特別融資制度。本年4月から同融資制度について、利率、限度額、融資が受けられる木造住宅の基準等が改正された。
 特に目を引くのは、25年以内の返済期間中、利率が2%固定となっていることだ。従来は、返済当初が、住宅金融公庫の基準利率マイナス1%、その後利率がアップする仕組みだった。今回の改正では、返済期間を通じて同じ利率とされた。
条件面では・・・
 同融資制度は、県産木材を、最低50%以上使用することを求めている。またその確認方法として、「ひょうご県産認証木材製品」が、指定品目について使われていること、が追加された。
 同融資についての詳細は、兵庫県庁林務課流通係、あるいは、各県民局農林(水産)事務所まで。

トピックス
F☆☆☆☆とは?
シックハウス症候群対策
家の中にいるとイライラする、目がチカチカする、ノドが痛み、体がだるい、アレルギー、アトピー・・・等々。最近いわゆる「シックハウス症候群」といわれる症状が社会問題となっている。
 このシックハウス対策を強化するため、関係省庁では、各法令を改正する手続きを進めている。
焦点はホルムアルデヒド
 最近の住宅では、高気密、高断熱などの性能をうたう住宅が増えてきている。その一方、換気を十分行わないなどにより、室内空気環境が悪化し、また、もともとアレルギー体質である方々が増えてきたことなどから、住宅の建築資材から放散される揮発性物質に関心が高くなってきた。
 木製品を住宅に使用するため、建材には接着剤、塗料等が使用されるが、これらに含まれる、揮発性物質、特にホルムアルデヒドの放散規制がなされることになった。
 また、クロルピリホス(有機燐系殺虫剤・防蟻剤)を添加した建築材料の使用が禁止され、さらに、居室機械換気設備の設置が基本的に義務付けられた。
JAS JIS 建築基準法
改正のポイント
 木材・木材加工品の規格は日本農林規格(JAS)で定められており、ホルムアルデヒドの放散量の基準が定められている。
 一方、本年7月施行予定の改正建築基準法では、ホルムアルデヒドを発散する建築材料について一定の使用規制を行うこととしているが、同法の規制対象から除外する建築材料に、新たに上位に位置する(放散量のより少ない)基準値が制定された(経済産業省が所管する建材はJIS規格で)。 あわせて、従来不統一だった表示方法がFc0→F☆☆☆などと表示するよう改正された。見出しの「F☆☆☆☆(エフフォースター)」は、それを表す記号。
等級の追加と表示記号の改正(概要)
現      行 改  正  案
表示記号 平均値   表示記号  平均値  
    F☆☆☆☆ 0.3mg/L
Fc0 0.5mg/L F☆☆☆ 0.5mg/L
Fc1 1.5mg/L F☆☆ 1.5mg/L
Fc2 5.0mg/L F☆ 5.0mg/L
(集成材及び構造用集成材を除く)
 F☆☆☆☆の場合は、放散量平均値0.3mg/L。この規格の建材については、改正建築基準法において、内装仕上げの面積制限の対象から除外されることがポイント。
 このため製品のF☆☆☆☆化を進める動きが、各内装材メーカーで活発化している。
◇ ◆ ◇ ◆
県内の木工品紹介
美嚢郡(みのうぐん)・吉川町(よかわちょう)   美  吉  籠(みよしかご)

 1885年創業当時から、有馬温泉の湯治客の土産物として、今は、一流ホテルや日本を代表する、航空会社の機内で、また、工芸作品は、宮内庁御用達となり、茶道や華道を愛する人にも好まれている。
戸田竹芸店
美嚢郡吉川町有安282
tel:0794-73-0008

〜流れを大切にした家づくり〜
ネイチャーハウザー丹波 鈴木勝氏講演
人との出会い、顔の見えるつきあい
 
 丹波材をつかった木造住宅を提案するグループ「ネイチャーハウザー丹波」主催の講演会が4月19日、丹波年輪の里で開催された。 講師は流建築設計工房代表鈴木勝氏(東大阪市)。 
 住まいづくりに関わる全ての人の顔が見えることが鈴木氏の提案。 建築材料は、もちろん地元丹波材。さらに、住まいごと、暮らしそのものの提供を考えている。そのために、施主自らが家づくりに関わり、子供も一緒になって、自分がつくった家、いっしょにつくった人の顔が見える住まいづくりのシステムを提唱していた。
 ネイチャーハウザー丹波とは、丹波の乾燥木材をふんだんに使い、自然にとけこむ住宅づくりにこだわる、住まいづくりの技術者集団が運営する住宅供給ネットワークシステム。鈴木氏は、丹波の地に、この住宅供給システムの流れをつくりたいと提案していた。
       鈴木 勝氏
 
       
今年も盛況!
「木木市」開催される
 毎年恒例、丹波年輪の里「第6回 木木市(もくもくいち)」が、去る平成15年4月19・20日の二日間にわたって開催された。
 午前9時30分の開場とともに、オープンを待ちわびた人々で、会場は、またたくまにいっぱいとなり、数千円の板類が飛ぶように売れていた。今回は、氷上郡製材協会と丹波年輪の里との共催(後援:兵庫県木材業協同組合連合会)で、氷上郡内を中心に製材、素材業の約20社の出品があった。
 品目では、板類を中心に、素材そのままの丸太から塗装仕上げのテーブルまでさまざま。樹種もスギ、ヒノキはもとよりクリ、ケヤキ、カエデ、カキ、カシなどバラエティにとんだ品揃えとなった。
 丹波年輪の里「春のフェスティバル」期間中でもあり、さまざまなイベントが同時開催される中、両日共にあいにくの天候ではあったが、全体で約五千人の来場となった。(木木市終了後も、年輪の里 木の館で木材を販売中)
県立農林水産技術総合センター森林林業技術センターからの研究報告
(木材利用部 上村公浩研究員)
スギ薄板を編んだ雑草木抑制シートの効果
 スギ間伐材など未利用材の有効活用を図り、かつ下刈り作業の省力・軽減および苗木(植栽木)の誤伐防止を目的に、短冊状のスギ薄板(幅50×長さ300×厚さ0.5mm)を編んだ雑草木の抑制シートを試作し、その効果について試験を行った。
 試験は、植栽したケヤキ(植栽後4年経過)の根元周囲50×50cmをシートで被覆して行い、定期的にケヤキ周囲の雑草木の高さを測定するとともに、シートの劣化状態について調査を行った。 その結果、平成12年6月にシートを設置して3ヵ月経過した時点(平成12年9月)での雑草木の高さは、無被覆のものが平均24cmであったのに対し、被覆したものは平均1cmであった。1年経過後においても、無被覆のものが平均24cmであったのに対し、被覆したものは平均11cmであった。試験に用いたシートの耐用期間については、2年目の夏に著しい劣化が認められたため、2年程度であると思われる。 また、誤伐を減らせる可能性は認められたが、シートが雑草木に覆われたり、退色して目視で確認しにくくなっている場合、その誤伐防止効果は低減するので、確認しやすいように大きくするなどの対策が必要である。今後は、大きさの検討および防草バックなど他資材との比較を行うとともに、コストの検討を行う予定である。
     写真 雑草木の抑制状況

木・ワード(3)「背割り」
 樹心を含んだ製材品の収縮による影響を少なくおさえる目的で、あらかじめ、樹心に届くように鋸目を入れることがある。これを背割りと言う。
 最近では、これにかわり、4面すべてに、浅く背割りを入れる「4面切溝」が話題を呼んでいる。
ミニ情報 *ひょうご森の祭典2003
〜緑の森 守ってつなごうぼくらの未来〜 本年は宍粟郡波賀町上野「フォレストステーション波賀」で盛大に開催。
・5月25日 10時〜16時

・お問い合わせ
 兵庫県農林水産部農林水産局林務課豊かな森づくり室078(362)4192(直通)

*丹波年輪の里 「春のフェスティバル」
 すがすがしいそよ風のなか、新緑がまぶしい広い芝生でゆったりとしたひとときを過ごしてみては?
・5月25日〜6月8日バードカービング展in丹波   *バードカービング教室も開催中*
・お問い合わせ 
 丹波年輪の里0795(73)0725