VOl.64
平成13年8月

発行: 兵庫県立丹波年輪の里(林産指導課)
【題字】 鳳翔会主宰 塩山重夫

どうする木質廃棄物

木質資源のリサイクル

 近年、生活環境の保全、資源の有効利用の観点から循環型社会の構築が大きな課題となり始めた。

 具体的な取組として、廃棄物の排出抑制や使用済み製品・部品の再利用、原材料または熱エネルギーとしての利用による廃棄物の減量化などがあげられるが、これらの取組により安全で適正な廃棄物処理体制を整えることが循環型社会の構築にっながるであろう。

 他方、悪質な不法投棄等不適正な処分の増大、最終処分場など廃棄物の適正処理に必要な施設整備が思うように進まないことなど様々な問題が発生するようになり深刻な社会問題に至っている。

 こうした深刻な問題に対処するために各種資源のリサイクル法律が整備されたのである。

木材のリサイクル製品

 これまで年輪の里では森林整備の段階で発生する間伐材の有効利用について度々取り上げてきた。

 一方、原木の製材・木造施設の建築時に発生する端材・木屑・バークについて、全国各地では様々なリサイクル方法が考えられ商品化されている。

 今回、実際に利用されている事例を紹介するとともにこれまで廃棄物として処理されてきた資源を有効に活用することを検討する。

 現在、木質系のリサイクル方法として一番多く採用されているのが木材のチップ化である。

 木材チップの用途は多種多彩で、主としてパルプ用の原料に使用されていたが、近年様々な利用の方法が考えられている。

木質熱利用  
 燃料ペレットは間伐材や製材所等から発生する端材・おが屑を粉砕した後、粒状に固めたものである。

 このペレットはすでにボイラー用や家庭用ストーブの燃料として使用されており、大阪府の高槻市森林組合ではストーブ用燃料として売り出している。

 同森林組合では、将来このペレットを使って木質バイオマス発電に乗り出す計画が予定されている。

畜産廃棄物の堆肥化

 木質チップを畜産敷設材として各地で利用されているが、これを利用して発酵堆肥を製造する業者や自治体が増えてきている。

 この技術は家畜の糞尿に限らず家庭や飲食業界から発生する生ゴミとチップを組み合わせて堆肥を製造するケースが多くなっている。

 写真は、正和電工(北海道旭川市)が開発したバイオトイレでおが屑と排出物を攪拌し発酵させ無臭の有機物肥料に変えるもので、水を必要とせず臭いの心配もないとされている。

土木資材利用

 チップを利用した木質舗装の施工が増えている。

 これは、チップをウレタン樹脂で固めたもので、自然歩道や公園・遊歩道・病院等の散策路などに施工されており排水性・クッション性の良さが特徴である。

 チップは間伐材や製材所の端材、住宅などの廃棄木材も利用可能である。

 前号で紹介した波賀町新庁舎では庁舎周辺の歩道にこれを採用している。チップはすべて地域材の製材端材などからから製造したもの。

緑化資材

 製材所等から発生するバーク(スギ・ヒノキの樹皮)についてはこれまでバーク堆肥としてリサイクルされるのが一般的であったが、兵庫県CC緑化協会(神戸市)ではバークから抗菌性樹皮繊維を開発、これをRC緑化工法として売り出している。

 この工法は、スギやヒノキの樹皮を特殊加工し添加剤・粒状炭を配合したものを土砂法面に吹き付け緑化する工法で適度な保水性を持ち土壌温度・保肥性・耐久性に優れている。

 兵庫県内でも平成十一年度で七千三百u、十二年度には九千七百uと、その施工実績を延ばしている。

 この他にも木質廃材を活用した様々な土木・緑化資材などの新たな製品が開発されているが、コスト面をはじめ多くの課題もかかえているのが現状である。


全国から「ウッドの集い」

学童用木製机・イスの普及を図ろうと全国の木工業者等が組織するJW日本ウッドワーク連盟(本部 静岡県天竜市)による「第三回ウッドの集い」が六月十六、十七日に丹波年輪の里で開催され、全国から木材関連業者や一般消費者など五十人が参加した。

初日に総会の後、神戸大学金澤洋一教授による基調講演「木と私たちの暮らし」、引き続いて地元木材関係者らによるパネルディスカッションと交流会、翌日は郡内集成材工場で机・イスの製造視察。

地元幹事である泣Eッドワーク丹波の高見豊氏は「地元材で作った机・イスの良さをより多くの小中学生に体験してもらうよう運動の輪を広げていきたい」と抱負を語った。


続 熱血業界人

「オヤジ、まかせろ!オレたち三兄弟に!」

平井製材(氷上郡柏原町下小倉)
平井将司さん(27才) 完治さん(26才) 重行さん(24才)

 四年前、丹波林産振興センター内で父親の照夫さん(54)と息子たちで高級ヒノキ柱・造作物の専門工場として操業を開始。製材業としては年数が浅いが堅実な経営を維持。年間約四○○m3の丸太を消費し関東・中部地域など主に県外へ出荷している。長男・次男は県外の木材会社で修行、三男は清涼飲料水会社を経て合流した。父が木取りを、長男の将司さんがハンドルを握り、完治さん・重行さんがハナ取り、運搬などシッカリ脇を固める。「目利きの確かさ」と「信用」は超一流だと父親に対する息子達の信頼は絶大。

 使用する八○年生以上のヒノキ良質材の仕入れは、全員が手分けして行うが、入手の先行きにやや不安を感じる。 将司さんは「兄弟がスクラムを組み、将来は新しい事業も取り入れたい」、重行さんも「長男の製材技術は凄い、今後は消費者と直結できる商売にしたい」と意気込む。

 親子四人のチームワークでに頼もしく感じられた。


オフィス訪問

建築設計事務所編
(株)アトリエフルタ建築研究所
 芦屋市打出小槌町6-9-504 森林の中に身を置く時、自然の恵みは心も体もゆったりとくつろいでくる。

 伝統の木造建築は森林に通じるやすらぎ、心地良さがあり、木のしなやかさ、強さ、耐久力、その個性を適材適所に用いている。そして住む人がそれらを慈しむ時、家も生き生きと人を包み守ってくれるであろう。

 大切にしてもらえる家造りには、何より建築主の想いを

汲みとり、整理しながら具体化することだと考えている。 調和のとれたより良い住まい造りを常に心がけていきたい。


建築をトコトン見てやろう!

木造住宅の強さと良さを実感

 神戸市長田区腕塚町一〇丁目に無垢の床板や漆喰壁など自然の材料をふんだんに使用し、土間のあるサンルームを設けた心暖まる住まいをコンセプトに「やわらかな住まい」が建築中。((株)遊空間工房 野崎瑠美設計)

 この住宅の棟上げから内装工事、建築材料ができる課程を見学する「建築をトコトン見てやろう会」(会員一二五名)が神戸市の事業で開催されている。

六月には、宍粟郡一宮町の伐採現場や製材所を会員が訪れた。伐採現場では普段見る機会がない高性能林業機械や、丸太から大黒柱ができる課程に興味津々で近く家を建てる予定がある人たちの関心を集めた。


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