VOl.63
平成13年6月

発行: 兵庫県立丹波年輪の里(林産指導課)
【題字】 鳳翔会主宰 塩山重夫

波賀町役場新庁舎完成

 波賀町では、五月三十日に地域材を活用した波賀町役場新庁舎が竣工式を迎えた。

 竣工後二日間の一般公開には四千人の町民が来訪した。

 兵庫県内でも木造庁舎としては最大級の規模であり、地域材の活用、新工法の採用など庁舎建設にはかなり苦労されたようである。

 今回は、木造庁舎の波及効果もふくめて中田耕一郎町長に話を聞いた。

地域材を活用した新木造庁舎に期待

 波賀町は昔から林業が主産業として栄えてきた。このことは現在においても変わりはない、新庁舎は林業の中心である木造建築にこだわり建築工法においても昔ながらの在来軸組工法とした。このことは来庁者に対しても木組(工法)みが見やすく木の良さを分かりやすくする事ができたと思う。

 新庁舎の建設に当たって地域産業の振興も考え木材については地域材を活用することとし建築用資材の確保に当たっては建設の一年前から約三haの町有林を伐採し準備してきた。

 伐採集材は地元森林組合が作業を請け負い地元製材業者によって製材が行われた。

 しかし、木材乾燥については地元に人工乾燥施設がなく岡山まで材を運ぶ事となった。

 建設事業費の算出に当たり資材(木材)を現物支給としたため事業費の算出、建設業者への指示について、製材品の市場適正単価の設定や木材の買いたたきの防止などには苦労した。

 建築現場では、建物の強度を確保するため材の幅を大きくしたり、梁などは集成材を使用せず合成梁を京都大学の西沢先生と建設業者とで協同開発し採用。

 また、災害時には町全体の情報拠点となる建築物として耐震構造とし軽重量建築物用免震装置(球面すべり支承を採用)を設置した。

 新庁舎となってまだ一月も経っていないが、職員一人一人が庁舎に対して愛着を持つようになった。また、来庁者に対して以前にまして対応が優しくなっているようだ。

 来庁者にも建物内部が見やすく入りやすいとの評判で木の庁舎は町民にも受け入れられている。

 木造庁舎は木の文化木のぬくもりのなど「木の町」波賀町が木の良さを全国に伝えて行くための情報発信基地となり国産材の利用拡大につながればよいと思っています。

庁舎の規模・構造
(1)規模 建築面積 2,320.68u 延床面積 3,219.21u
  高さ建築物 13.00m 越屋根 15.92m
(2)構造 基礎形式 直接基礎(ラップルコンクリート独立基礎)
  構造 木質構造
(木造在来軸組工法+鉄筋コンクリート造耐震壁構造)
  免震層 一階床下の下部に球面すべり支承
(摩擦振り子 型免震装置)を設置

地域産材使用状況(製品数量) 670.0m3
(1)国有林材 支給杉丸太( 心柱材) 15.4m3
(2)町内産材 本杉丸太( 梁材) 15.3m3
  桧・杉材 327.0m3
  ( 柱・梁・桁・板等)  
(3)郡内産材 松丸太( 梁) 36.7m3
  桧・杉材( 柱・梁・桁・板等) 231.5m3
(4)県内産材 桧・杉材( 腰板材) 9.2m3
(5)県外産材 松丸太長尺物 34.9m3
  ( 梁材)・杉丸太柱等  

町有林材の使用状況
(1)伐採量 1.0ha 林齢 72年
    503.9m3   3,046本
  2.4ha 林齢 72年
    529.1m3   6,597本
(2)使用料 (素材) 438m3    
  343m3    
  95m3    


行政ニュース県庁の動き

 このほど県では、副知事を会長とし、各部局構成する「公共施設木材利用推進会議」において、木材の優れた特質を生かし、県民の健康増進と快適な生活環境の創出を目的として、県有施設での木材利用を全庁的に進めるため、「県有施設における木材利用の推進に関する基準」を定めた。

 この基準では、1.県有施設の建設・改修時には、法令等により木材利用が困難な場合を除き、木造化や内装の木質化を進める。2.県有施設の備品・調度品には木材製品を積極的に導入する。3.公共土木工事には、間伐材等の利用を積極的に検討する。

 このことを、木材利用推進方針としている。

 特に木材利用を重点的に進めるものとして、庁舎・学校・県営住宅・図書館・体育館等の木造・木質化や河川・砂防・治山工事等での間伐材等の利用を進めることとしている。


続・熱血業界人

不況がどうした!ヤル気満々、若手経営者に聞く
福嶋義久さん(44才)
(株)福嶋木材店 専務

加古郡稲美町蛸草 五月末の第三十五回兵庫県木材青年クラブ総会で平成十三年度会長に選出される。

大正二年創業の老展舗製材所の四代目。祖母、両親、夫婦と二人の子供の七人暮らし。

 現在、木材青年クラブは、県内の四八才以下の若手木材経営者三一名で構成。

 人も木も自然の中でひとつしかないもの、むくの木の良さを子供達に是非知って欲しいと木工教室などを開催。

木材業は、地球環境共生産業としてね未来に自信と誇りを持って木の良さを伝えたいと意気込みは大きい。

県産木材に対して、「現在、ブランドが無くヒノキは高いというイメージがあるが、環境保全という立場から我が国の森林資源の活用を真剣に無取り組む必要がある。」とのこと。

 木材青年クラブの今後の方向は、「会員相互のネットワーク化を進め、情報交流を密接にし、商売に結びつくような活動をしたい。」


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