VOl.59
平成12年7月

発行: 兵庫県立丹波年輪の里(林産指導課)
【題字】 鳳翔会主宰 塩山重夫

環境共生を目指す住宅特集 その2

 前回より環境共生住宅について考えてきましたが、今回も引き続き制度や基準・住宅の性能を示す値や公的な補助融資制度について考えたいと思います。

2.Q値・C値
 Q値「熱損失係数」といって、室内外温の度差が1℃あるとき、家全体から1時間に床面積1uあたりから逃げ出す熱量をさします。Q値が小さいほど、熱が逃げにくく保温性が高いことを表します。C値は「相当隙間面積」のことで、住宅床面積1uあたりの隙間面積をで表します。

 C値が小さいほど気密性が高くなります。

3.次世代省エネルギー基準
 家庭でエネルギー消費量を減らし地球温暖化を防止するため、昨年約7年ぶりに見直しされました。そのポイントは高断熱・高気密。気候の違いに配慮して市町村ごとに断熱性、気密性の基準を設けるなど、従来の基準に大幅な改正を加えたものになっています。

 全国で冷暖房エネルギーの約20%を削減の目標としており、換気設備等の設置も義務付け、計画的な換気で室内の空気を常に清潔に保つのが狙いです。

 次世代省エネルギー基準は、良好な居住環境がはじめて達成できる目標といえるでしょう。

4.住宅性能表示制度
 今年4月施行の「住宅品質確保促進法」に定められた制度で、住宅の性能(構造耐力、省エネルギー、バリアフリーなど)に共通の基準を設け、第三者機関による設計・施工・完成段階の性能評価で信頼性を確保、トラブルの際には、紛争処理機関が迅速な解決を図ることなどがその内容です。制度の活用は任意ですが、消費者は性能を比べて安心して買えるようになるでしょう。

5.環境共生住宅購入をサポートする融資制度・補助金
 環境共生住宅には、その建設を進めるため、各種の支援制度が用意されています。住宅金融公庫の融資では、二段構えの優遇策が取られています。

 まず、住宅床面積175u以下での一定の性能をもった住宅(基準金利適合住宅)を建てる場合、3.35%という低い金利で融資が受けられます。

 省エネルギー性能が指定の基準に合致すれば優遇されるわけです。

 次に、省エネルギー住宅工事に対して1戸当たり最高250万円の割増融資が用意され、太陽光発電システムを設置した場合には1戸当たり300万円の割増融資が用意されています。それぞれの性能や設備が公庫の定めた基準に合うことが、割増融資の条件となります。

 新エネルギー財団では、太陽光発電システムの設置に対して「住宅用太陽光発電導入基盤整備事業」として補助金を出しています。

 システムの価格にもよりますが、太陽電池モジュールの最大出力1kw当たり約32万円を補助することにしています。

 応募は設置する者、つまり施主が行うことが原則ですが、住宅を建築する者が予約することも可能です。

 すでに多くの業者がこの制度に対応しています。ただし年度ごとに補助金の金額が決まっているので注意が必要です。

 また太陽光発電システムについては、普及助成策を独自で実施している地方公共団体もあり、これら団体は補助金交付や融資の斡旋、利子補給などの助成策を実施しています。このような施策を今年度から開始したものも多く今、後一層の充実が予想されます。
(参考文献日経エコ21)


林産情報

林野庁林産加工研修会に参加して 7月3日から7月7日にかけて東京都八王子市にある林野庁の森林総合研修所において林産加工研修会に参加してきました。ここではこの研修会で得た木材の乾燥に関わる情報や国(林野庁)の考え方や今後の取組みなどについて3回に分けて掲載させていただきます。

1.林野庁林産課より
 最近の世の中の動きが規制緩和や消費者保護、説明責任の明確化等の方向に展開している中で、木材需要の大宗を占める住宅分野においても、建築基準法の改正による性能規定化、住宅の品質保証の促進等に関する法律の制定と住宅の性能表示制度の創設など大きく環境が変化しています。

 そして住宅資材としての木材も、表面の化粧重視から品質・性能重視へという傾向が、そうした法制度の整備により一層加速されると見込まれます。建築基準の性能規定化は、材料等に求められる基準が従来より厳しくなるものではありません。また、住宅性能表示制度も基本的に住宅全体の性能を消費者に分かりやすく示すものとされており、木材の利用を直接に制限するものではありません。

 しかしながら、住宅の品質確保の推進等に関する法律に基づく新築住宅の10年間の瑕疵保証の義務付けにより、消費者の住宅の品質・性能に対する関心もさらに高めることが予想されます。
 このため、住宅生産者は、法律で規定するところの瑕疵はもちろんのこと、これには当たらないような消費者からのクレームであっても、可能な限りこれを排除できるような材料を選択するものと考えられます。すなわち収縮・反り割れ等が発生しやすい未乾燥材などは排除の対象となるわけです。

 このことは住宅生産者がプレカット等の施工の合理化を進める上でも、高い加工精度と安定性が求められることから乾燥材や集成材を求める動きは一層強まるものと考えられます。

2.乾燥材供給拡大を図るプロジェクト
 国産材の利用を維持・拡大をしていくためには、乾燥材の生産を飛躍的に伸ばしていくことが大前提であり、このためには木材関連業界全体でこれに取り組むとともに、国や地方公共団体が積極的にサポートしていくことが重要と考えています。

 林野庁では平成12年1月に「乾燥材推進プロジェクト」を設置し、都道府県、木材関連団体と連携して乾燥材供給の一層の拡大を図っているところです。

3.プロジェクトの主な取組み内容
(1)人工乾燥施設の整備促進のための事
 業等を効果的に実施・関係する補助事業、制度融資等について事業者への普及の徹底と優先的実施・地域における拠点的乾燥施設の推進。

(2)乾燥材生産増大キャンペーンの実施
 乾燥材の生産推進について、木材関係事業者、大工、工務店等への効果的な普及啓発活動の実施。

(3)乾燥技術の開発の促進
 産・学・官一体となった高品質かつ低コストの乾燥材の生産技術の開発促進及び事業者による技術開発への支援。

(4)乾燥材技術の向上
研修制度等を活用した乾燥材技術指導者の育成。

(5)乾燥材の品質確保
JAS格付け率と測定方法の精度の向上これらの推進に当たっては、国ではソフト、ハードの補助事業をはじめ、金融、税制措置等で支援を図るほか、全国木材組合連合会においても「全木連乾燥材促進対策本部」を設置し、乾燥施設の拠点的整備の支援や乾燥材の普及啓発等を実施しているところであり、これからの取組み活動とも緊密に連携を図って実施しているところです。


建物建築物探訪

丹波篠山渓谷の森公園

 丹波篠山の後川地区に新しいアウトドア施設がオープンしました。

 公園内にはレストランの入った大型木造建築のメインハウスをはじめ、オートキャンプ場や、体験棟、コテージなどが整備されています。

 中でもこの公園の呼び物でもある木造建築のコテージは、地元産のスギ材を使用して建てられており小屋組の土間(バーベキュー用)と居住部分に中国のパオ(移動式テント住宅)を思わせるような幾何学的デザインが特徴となっています。

このほかにも体験棟に使用されている四本の柱材を組み合わせて造った合わせ柱とねじり柱がユニークな構造となっています。

 これらの施設は周囲の環境に溶け込んだイメージで建てられていること、デザイン、地元の材と大工によって建てられていることなどが評価されて「平成12年度優良木造施設コンクール」で最優秀の「農林水産大臣賞」に選ばれました。


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