| Vol.49 平成10年11月 |
| 発行:兵庫県立丹波年輪の里(林産指導課) |
木材のPRにおいて追風なのが環境面のことだと思います。以前にも紹介した地球温暖化や住環境においては明らかに木材は優位です。しかし、廃棄物のリサイクルの面ではまだまだのようです。
資源の約5割を使用している建設産業から出る廃棄量は全体の約2割です。しかし、廃棄物のリサイクル率は全産業の76%に対し、55%です。そして、問題なのが不法投棄の約9割が建設廃棄物であることです。また、建築系廃棄物の6割が解体にともなう廃棄物で、戸建住宅の解体廃棄物が不法投棄される割合が高いようです。
木造住宅の解体等にともなう木質系廃棄物の発生量は年間1000万トンとも推定されています。しかし、再利用されているのはその20%前後です。
昭和40年以降延床面積が増大しており、これらの建替えにより木質系廃棄物も増大すると予想されています。2010年には1995年の4倍になるとの調査結果もあります。
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全産業 |
建設産業 |
| 資源利用量 |
24億トン |
11億トン |
| 廃棄物 |
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| 排出量 |
4億トン |
0.82億トン(21%) |
| リサイクル量 |
3.1億トン |
0.45億トン(15%) |
| 最終処分量 |
0.84億トン |
0.37億トン(44%) |
| 不法投棄 |
39万トン |
34万トン(87%) |
対策としてはリサイクル率を上げるか、発生を抑制するかです。 前者については建設省も解体を建築確認同様に「解体確認」を義務づけ、混合解体を禁止し、解体は登録業者により分別解体が行われるよう法整備を進めているようです。適正な解体処理費は住宅を建替える個人つまり消費者が負担するということです。
(1)木材リサイクル率を向上させるためには?
ゴミを資源に変えるには分別解体することで、「混ぜればゴミ!分ければ資源!」です。
次に資源化できたらどう使うかですが、木材の場合、細分化することでパーティクルボード、ファイバーボード、パルプ等へ再利用できます。技術的には対応できますが現実的には目先の経済効率などにより利用率は低いのが現状です。
しかし、木材の場合最悪焼却しても、再造林が確立されているならば、環境負荷はゼロにできます。
また燃焼時のエネルギーは電力等に利用できます。全木造建築解体材を発電に利用すれば、全電力需要量の2%程度をまかなえるそうです。
また、廃材を炭化すれば土壌改良や、調湿、水質浄化など多様な用途に利用できます。今、年間16万トンの需要があります。
また、未来にリサイクル率を上げるためには分別効率を高めるため建築時に@断面寸法を大きくし、A異物を混入しないことです。つまり無垢材をたくさん使えばよいのです。
(2)発生を抑制するには?
建替え理由の大半は物理的劣化ではなく陳腐化や機能性の劣化によるようです。ですから、先に記した消費者が適正な解体処理費を負担することは、安易な建替えを抑制し建設廃棄物の発生抑制つながります。
しかし、現状では住宅の更新周期は我が国で約30年です。これに対し、欧米諸国は3〜4倍も寿命が長いのが事実です。
木造建築物では築後100年以上建っているものはざらにあります。せめて欧米並に使用期間を延ばす必要はあるでしょう。
我が国のスギやヒノキなど人工林の森林資源は十分にあり、部材寸法を大きくすることはたやすいのではないか。かつては木材の価格が高かったが、今は決して高くない。せめてふんだんに木材を使用し、欧米並の優良な住宅ストックを作る必要があると思います。
参考文献
解体・リサイクル制度研究会中間報告 平成10年7月(建設省ホームページ版)
木材のリサイクル:秋山俊夫他 1998 産調出版株式会社
バイオマスエネルギー:海老原 徹 森林総合研究所 所報No.121'98-10
山崎木材市場
山崎木材市場はスギ産地である宍粟郡の山崎町の中国自動車道沿いに位置します。
主力は宍粟スギで、45〜50年生の中目材です。その他にヒノキも二割ほど入荷します。
年間取扱量は約6万m3で県内最大規模の原木市場で、選別木も導入されています。
市日は毎月6日、16日、26日です。
| スギのコンクリートパネルについて |
| 今まで、コンクリートパネルといえば合板でしたが治山堰堤工事でスギパネルを利用する試みがなされています。使用されたパネルは共立製材所製(氷上町)が製作したもので、サイズはW=600mm,L=1700mmです。
施工者に使い勝手を聞いてみたところ、堰堤本体部分についてはスギのアクが出るが問題ないようでした。しかし、、細かい部分では使いにくく、切り刻んでしまうのがもったいない。W=900mmのほうが使いやすいのではとの声が聞かれました。 |
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フォレストツーリズモ
ゆったりとした時間の流れを感じる丹波の森林内で、「出会い」をテーマにした「Hyogo フォレストツーリズモ」を10月2〜3日と、24日に2回実施しました。
出会いの相手は、兵庫県、大阪府でご活躍されている建築家の方々でした。 森の中では、「絶対本には載っていない木の話」や地球温暖化を防止するための作業」(木の伐採)、また秋の丹波の味覚を食材にしたバーベキュー等で有意義な時間を過ごすことができ、建築家の方からは「自分の家の柱がこの森からできた、と実感できる家づくりをしたいと感じた」という感想をいただきました。
今回の建築家の方々との出会いを大切にし、森林と住まい手が今よりも身近な関係になる家づくり、そして木の良さを実感していただけるようになればとスタッフ一同願っています。
「柏原町役場庁舎」
八幡神社の三重の塔がそびえる入船山の麓、木の根橋と手をつなぐように建つ洋風二階建が、柏原町役場庁舎である。 桟付きの縦長窓、屋根の上のかわいいドーマー、木材の直線を強調した外観と、中央部にアーチ型の玄関を配した左右対称の構造が、落ち着いた感じを与えている。そして、窓枠や階段の手摺りなどにも丸身を付けるなど建築に携わった職人の心意気が感じられる。
柏原町志によれば、『昭和9年8月工事請負金九千二百四十円で大西兵太郎に契約し、翌10年5月19日落成式を挙げた、本館は木造洋館二階建五十二坪、茲に特筆すべきは当町産の神戸市亀井義和の義侠的好意により優秀なる塗壁術を以て庁舎に一段の美観を副えられた事である、』とあり、竣工当時は大変美しい建物であったと思われる。
昭和初期の建築物は歴史的遺産ではないかもしれないが、大切にしてほしいものである。
注 柏原町志 昭和30年9月発刊全一巻
今号では、木質系廃棄物について特集しましたが、民家等を分別解体すれば古材が発生するわけです。しかし現在その流通が確立されていないためか、古材として利用されにくいのが現状ではないでしょうか。築後百数十年の木造建築物など修復や補修には古材が欠かせないのでしょうけれど。
こういった古材の提供者と古材の利用希望者への情報提供や、民家再生の相談、古い木造建築物の調査などを行っている「古材バンクの会」というのが京都にあるようです。もし古い民家を取り壊すことがあれば一度相談されてはどうでしょうか。
連絡先は 0795−532−2103 ホームページ http:www.wood.co.jp/kbank
最近宮崎県耳川流域の原木市場(東郷林産物流通センター)や製材工場(東郷木材加工工場、耳川林業事業協同組合)を見る機会がありましたので参考までに記載します。。
まず原木市場ですが、森林組合の共販所であり八割が組合からの入荷です。年間取扱量が九万立米でほとんど全てがスギです。一椪が平均70m3と大きい(一椪は山元70人分に相当)。材はやはり目が荒いものが多いです。とはいっても兵庫県産材も同等の材はありますが・・・。
製材工場は、この経済状況でも1日に12時間フル稼働していても生産が追いつかないとのことでした。耳川林業事業協同組合では一日に原木を150m3立米処理し年間3700m3を消費とのことです。どちらの工場も乾燥施設があるが、製材品のほとんどがグリーン材で出荷しているようです。