| Vol.48 平成10年9月 |
| 発行:兵庫県立丹波年輪の里(林産指導課) |
去る9月6日の木材フェアの会場にて、とあるご婦人方に展示木材の説明中のことでした。私たちは一生懸命木材の値段が高くないことを力説したのですが、最後に「木材は贅沢品ですから」とおっしゃられ、ガクッときてしまいまいました。
末端の消費者にとって木は高価だという固定観念が出来上がっています。これは私たちのPR不足だと思います。 ひょうごなりの木材流通、情報提供を模索しています。
| 工業製品では、カタログで指定すれば全く同じものが届きます。しかし、農林水産物はそうはいきません。 野菜や魚は木材と同じく一次産品ですが、スーパーに行けば例え切り身になってもいても自分で選んで買うことができます。では、木材はどうでしょう。
家は購入できても木は買えません。確かに木を購入できても自分で加工できませんから、結果的に木材は設計施工業者が購入し加工します。したがって、消費者には設計施工業者という大きな壁があり、その向こう側がどうなっているのかわからないシステムになっています。
「木を選ぶ」というステップが消費者にはないわけです。 少しでも消費者に「木を選ぶ」ことに参加してもらえるようなシステムはつくれないだろうか。
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| 「ひょうごの立地を活かして」 兵庫県の場合、京阪神の大消費地に比較的近いメリットがあります。また、兵庫県には全国レベルでは無名かもしれないけれどスギやヒノキの産地があります。
その産地と設計施工業者、消費者を結びつけたい。単なる流通の短絡化ではなく、消費者と産地とのキョリを縮めることが目的です。九州などのように決して遠くはない。
これらを結びつけるための情報提供の方法として、私たちができることとしてインターネットを使いたいと考えています。情報化社会にあり、企業も個人もインターネットの利用者は今後も増えると思います。
具体的には設計施工業者には産地の情報を、消費者には産地と施工業者の情報提供です。 |
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産地の情報としては、製材加工所など木材関係施設の位置図、連絡先、生産品、価格、産地の地域情報などを記載したいと考えています。 一般向けに木の基礎知識として建築に用いる主要樹種、節や割れといった木材の欠点、分かりにくい木材の流通や価格といった情報も記載します。
県内でどれだけの方々に賛同して頂けるかわかりませんが、今からの情報化社会で少しでも情報提供できればと思います。ご協力よろしくお願いいたします。
あくまでも私たちは県の関係機関ですからできるのは情報提供だけです。後は個々に責任をもって対応して頂かねばなりません。 決して大きな流通の流れにはならないと思います。ただ、少しでも消費者に木のことや木材産地の実状なども知って欲しいということなのです。
マンガで学 木の家・土の家
著者 小林一元
発行 井上書院
定価 2,500円+税
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この本は木の家を建てようと考えている一般向けの内容です。ですから木材業界の方々は当然よくご存知のことです。ただ、木の家を建てていくストーリーとして、設計が出来上がってから、施主と産地の製材所へ赴き実際に使用する木材を見てもらうという展開になっています。現実にはなかなかこのとおりには行かないのでしょうけれど、施主が家づくりに参加してもらい、この本に書かれいるようにきちんと木のことを説明していくことが木材の需要を増やしていくことにつながるのではないでしょうか。
神崎町森林組合
神崎町森林組合の市場は国道312号線をグリーンエコー笠形方面に少し入ったところに位置します。この周辺は神崎町をはじめ、加美町、大河内町、生野町は県内トップクラスのスギの産地です。
年間取扱量は1万立米と、他の市場に比べると少な目ですが、良質のスギ並材が入荷します。 その他には、同組合内に神崎町木材加工流通事業組合があり、乾燥施設も備え、製材品も取り扱っています。
スギの強度について
スギの強度と一言にいっても部位によってだいぶ異なるようです。 スギ中目材では、元木は通常板類を採り2番木から柱を採っていると思います。心持ち柱の場合、元木から採った方が強度が強いように感じられますが、2番木など高い部位の材の方が強度が強いようです。これは、元木では髄に近い部分に未成熟材が多く、2番木では少ないためだそうです。当然2番木ですから節はでやすくなるでしょうけれど。
ということは、間伐材などの小径木では未成熟材の割合が多くなるので、中目の2番木くらいが柱にはちょうどよいということになるのでしょうか。
詳しくは森林・林業技術センターで研究されており、兵庫森林技研報第四十五号、「兵庫の林業No.205」で発表されています。
県産木材需要拡大コンクール
知事賞受賞施設のご紹介
| 加美町は「豊かな人間環境づくりをめざす杉原紙の里」を基本理念として、21世紀へのまちづくりの方針として「公共施設はできる限り木造建築で」としています。
日本一大きな木造体育館、道の駅「R427かみ」、杉原紙研究所、農林業公園「ハーモニーパーク」、青年家等をはじめとして、今年度建設中の交流会館、診療所、加工センター、和紙博物館もすべて木造建築です。
85%が森林で囲まれた加美町は町木も「杉」として木にこだわる町づくりを推進しています。 (加美町) |
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情報源は「新聞・チラシ、住宅展示場」
昨年10月に神戸市で開催された木材フェアの来訪者を対象に行なったもので、「木造注文住宅」で家を建てたいとする者が四三%、「木造建売」の10%を含めると53%の者が木造住宅に住みたいとしている。
「住宅を建てるときどの点を重視しますか。順位を付けてください」の問に対して、「価格を一番」としたものが最も多く、次いで「居住性」「間取り」と続く。「住宅に関する情報をどこから求めることが多いですか」の問いには60%の人が「新聞・チラシ」をあげ、「住宅展示場」は30%となっている。
住宅を建てるときに建築業者の選定はどうしますか。」については「大手住宅メーカー」が36%、次いで「地元の大工・工務店」が28%、「建築設計事務所」13%、「知人の紹介」12%となっている。「建築業者に望むことは」に対しては、336人が「価格、見積書の詳細な説明」を求めている。
このアンケート結果から、木造住宅に住みたいという要望は相変わらず根強いものがあるが、その情報源は新聞、チラシ、そして住宅展示場に出向いて大手メーカーの説明を聞き、最終的に建築を決定するのは価格という図式が読みとれる。しかも多くの者があげているように、住宅の建築について価格や見積について詳細な説明が不十分なため不満を感じていることがわかる。
なお、サンプル数は五百五件で、男女の比率は男性が40%女性が60%でした。