林産だよりロゴ vol.100 平成19年7月
発行:兵庫県立丹波年輪の里
         (林産指導課)

Tel0795-73-0725 fax0795-73-0727

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題字 鳳翔会主宰 塩山重夫

県産木材利用促進による
健全な森林の育成

はじめに

「林産だより」百号の発行を心からお祝い申し上げます。

兵庫県立丹波年輪の里・林産指導課が、木材情報の発信や、さまざまな研修会、イベント等を通して県内の木材関係業界の指導育成に尽力されていることに対しまして、深く敬意を表するところであります。

さて、この記念すべき「林産だより」百号の誌面をおかりして、現在、兵庫県が取り組んでいる県産木材供給の構造改革と県産木材の利用促進対策についてご紹介させていただきます。

新たな県産材供給システムの構築

本県は有数の森林県〔民有林面積8位(532千ha)〕であり、豊富な森林資源を有しているものの、木材の利用は全国的にも低位な水準にあり、成熟化している資源の有効利用が進んでいません。

そこで、既存の流通体制に加え、森林資源と大消費地に近い本県の特性を活かし、県産木材供給の構造改革を行い、品質・価格・供給力で外材等に対して競争力のある県産木材の供給体制を構築することが必要です。

まず、平成18年度に原木の集積から製材加工までが一体となった「県産木材供給センター」の事業化シミュレーション調査を実施し、19年度は、調査結果を踏まえ、県産木材供給センターの整備・運営を行う実施事業体の公募・選定を行い、20年度に用地造成、21年度に施設整備を行い、22年度からの本格稼動を目指しています。

○事業化への基本的な方針

・森林所有者に利益を還元し、持続可能な森林経営をめざす
・大きなシェアを占める外材に、品質、価格、競争力で対抗できるシステムを構築する
・県内の森林資源を有効に活用するため、直材だけでなく、曲材等低質材も加工できる体制を整備する

○事業化に向けての課題

特に、原木を安定的に大量に供給し、かつ、森林所有者に利益還元するためには、低コスト搬出システムによる原木生産が大きな鍵を握っています。

また、外材と対抗するためには、価格面では、スケールメリットによる製材コスト低減、製材歩留まりの向上、流通経費の削減が大きなポイントになります。

さらに、販売体制を確立させるためには、徹底した品質管理が最も重要です。

何よりも、これらの条件を全てクリアーする業界の意気込みが最も大切です。


「ひょうごの木造・木質化作戦」

県産木材の一層の利用促進を図るため「ひょうごの木造・木質化3大作戦」(@公共施設等木造・木質化50%作戦 A県産木造住宅10倍増作戦 B暮らしの中に木材を取り入れる運動)を引き続き展開し、需要拡大を図っています。

○公共施設等木造・木質化50%作戦

「木の良さ」をアピールするため、多くの県民の方々が訪れる波及効果の高い公共施設の木造・木質化を強力に推進してきました。平成11年度に副知事を会長に発足した「公共施設木材利用推進会議」が中心となり、建築・改修する県、市町、団体施設について法令等の制限から困難な場合を除き、木造化又は木質化を推進しています。  今年度から木質化率を50%にアップさせ、計画段階から強力に指導しています。

○県産木造住宅10倍増作戦

県産木材利用木造住宅特別融資制度の活用促進や住宅相談会・見学会の開催などにより県産木材利用木造住宅や内装木質化住宅の建設を進め、平成22年度を目途に千五百戸を建設することとしています。また、マンション事業者や工務店等を対象とした県産木材利用内装材施工例等の現場研修会を開催いています。

○暮らしの中に木材を取り入れる運動

木材フェアや県産木材製品展示会の開催、木製用品カタログの作成・活用、県ホームページを活用した情報提供、県産木材を使用した内装材や学習机など暮らしの中での多様な木材利用方法を提案するとともに県産木材の利用相談や情報提供を充実し、「暮らしの中に木材を取り入れる運動」への県民の参加を促進しています。

また、木製用品を取扱う事業者を「木づかい推進協議会」として組織化するなどPR活動を強化しています。マンションモデルルームなどのオープンハウス等を利用した消費者を対象のモデル展示活動も実施しています。(兵庫県林務課)

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木材に関する技術開発目標の策定

林野庁は平成19年6月に開催した第4回「木材に関する技術開発目標検討会」での意見等を踏まえ、「木材に関する技術開発目標」を策定した。 これは、国産材の特性を活かした技術開発の推進方向、具体的な開発項目及び推進体制について、今後5年間の取組事項を取りまとめたものである。

(1)取り組むべき課題の方向

@品質・性能への対応

品質・性能の確かな木材製品を供給するため、品質管理や新製品開発の基盤となる物性面・機能面データを整備すること、品質・性能を分かりやすく表示すること、消費者に木材の特徴を理解してもらうことなどが必要であるとしている。

物性面データの整備

原木については樹種・地域ごとに、製材品については、樹種ごとに実大レベルの強度性能データを整備することとしている。  これは、自然素材である木材は気候や地形等、生育条件の違いで強度性能にバラツキを生じる特性を持つことや、現在整備されているデータの多くは、無欠点小試験片による実験室レベルのものが主体で、地域ごとの実大試験データが不足していることを理由として挙げている。

機能面データの整備

防音性・調湿性・衝撃吸収性等、樹種ごとの機能面データの整備が不十分であるため、新製品の開発基盤となるデータの収集と蓄積が必要。

耐久性については、樹種や使用環境に応じた具体的な耐用年数についてのデータ整備が必要としている。

具体的には使用環境や住宅部材ごとの推奨性能の検討、乾燥方法の違いによる耐久性に関するデータの整備を挙げている。

また、木材がどのような状態になった場合に手入れや補修が必要なのかを分かり易くするため、木材の劣化状況の診断技術について、使用者と専門家それぞれのマニュアル開発が必要としている。

品質・性能の表示

木材製品の品質・性能データについては、全く表示が無いものや、表示していても消費者にとって分かり難いものがあり、これらに対する消費者の理解を深めるため、表示方法を検討する必要がある。

また、工務店等の需要者が木材を適材適所に使用できるように、住宅部位ごとに推奨する強度性能の数値を明確にする必要があるとしている。

A加工技術の開発

中・大径材の増大など供給状況の変化に対応するため、品質・性能の確かな製品を供給できる競争力の高い製材・加工技術の向上、乾燥技術の改良・普及が必要としている。

製材システムについては、原木の径級・樹種・ヤング係数等をパラメータとし、製材歩止まりや収支が最適となる木取りパターンの開発を挙げている。

乾燥技術については、含水率、表面割れ・内部割れの程度、強度等、乾燥材の基準を明確にすることや、品質の高い乾燥材を低コスト・短期間で生産するための技術開発・技術改良を挙げている。

B新製品の開発

住宅分野における国産材のシェアを拡大するため、梁・桁等、構造材の製品開発や、国産材2×4部材の検討、機能性・施工性に優れた面材の開発、エクステリアなどの分野における製品開発が必要。

具体的には、歩止まり向上のための厚物ラミナによる集成材、強度性能向上のための異樹種組合わせ集成材の開発等が挙げられる。

C木質バイオマスの利用拡大

木材利用をトータルで考え、木材を安定的に供給する取組に併せ、林地残材や製材工場残材等の木質バイオマスを有効活用する取組が必要。

具体的には、低コストかつ効率的な未利用バイオマス収集・運搬システムの開発及びそれに必要な収集・運搬機の開発・改良、低コストかつ効率的なバイオマス利用技術の開発が挙げられる。

(2)技術開発の推進方策

木材製品に求められる品質・性能を確保し、新製品の開発、品質管理等に的確に対応するためには技術開発が極めて重要である。

効率的な技術開発の推進、効果的な開発成果の普及を図るため、産学官の連携による推進体制を構築することが必要である。

具体的には、産学官の交流の場や共同施設(オープンラボ)の整備、技術開発の基盤となるデータを産学官相互提供し合う体制整備を挙げている。


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潟Iーケンウッド 創業一周年

県内最大規模の製材メーカー、株式会社オーケンウッド(丹波市春日町)は、昨年、県産木材の専門工場として製材業に参入し、この7月13日に創業一周年を迎えた。原木取扱量は、初年度目標の15000m3を達成した。また、新たに杉ラミナラインを導入したほか、乾燥機等の設備を整備した。

建設中の第4工場(製材ライン)
建設中の第4工場(製材ライン)

新たに整備した施設

新たに蒸気式乾燥機を3基導入し(計6基)、乾燥能力は2000m3/月となり、全量の乾燥が可能となった。 また、シミ等欠点のある原木を有効に活用するため、ラミナ用モルダー、ジャンピングソー、水分計ライン、結束積み込み機、オプティカット(ヴァイニッヒ)を導入するなど、杉ラミナの生産体制を整えた。

蒸気式乾燥機(大井製作所)
蒸気式乾燥機(大井製作所)

オプティカット(ヴァイニッヒ)
オプティカット(ヴァイニッヒ)

今回の設備投資により、平均原木取扱量を1500m3/月から2000m3/月に拡大させる。製品の生産割合は、柱・平角などの構造材を50%、間柱を25%、ラミナを25%とする。ラミナについては、水分計ラインで含水率の計測とグレーティングを行い、規格に合うものだけをKDラミナとして出荷する。

整備予定の施設

現在建設中の第4工場内に、大径木・長尺材等を生産するための製材ラインを整備するほか、フィンガージョインター、蒸気式乾燥機(4基、計10基)を年内に整備する。

今後の課題

原木の調達については、原木市場での買い付けのみでなく、素材生産業者等との直接取引きも行っている。 現在、原木の取引割合は、原木市場での買い付けが7割、素材生産業者等との直接取引きが3割となっている。

荻野社長は「平成22年度から県産木材供給センターが稼動し、原木の供給不足が懸念される。このため、今後、新たな原木供給ルートの発掘等、原木の確保が重要な課題となる。今後は、地元の製材メーカーと連携を深めながら県産木材の需要拡大に取り組んでいきたい。」と語っておられた。

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県内の木工・木製品紹介
学校教育家具 神崎郡神河町

宮田木工所は、50年にわたって学校の木製机、作業台、書架など教育施設にかかわる木製家具を製作してきた。

製品は、ナラ材等の強固な工作台等の製作が主で、兵庫県、大阪府の教育関係機関への納品が約9割を占めている。

また平成16年に、地元の木材を使用して竣工した、(当時)の神崎町立越知谷第一小学校に、同町産のヒノキ材を使用した学習机の組み立てキットを製作し納めた。

この学習机は、デザイン、機能性、耐久性に優れ、親子で組み立てられた机とイスは木造校舎で大切に使用されている。(この学習机は中播磨モノづくり大賞を受賞した。)

代表の宮田能秀さんは、子供たちが木のぬくもりを感じながら、安全で快適に学べる、環境に配慮した製品を創って行きたいと語っておられた。

教師用木製机

中播磨モノづくり大賞を受賞した机
中播磨モノづくり大賞を受賞した机

(有)宮田木工所  代表者 宮田能秀
兵庫県神崎郡神河町東柏尾706−1
TEL 0790−32−0391
FAX 0790−32−2100
http://www.miyata-mokkou.jp

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