関西屈指の大手原木市場である「㈱山崎木材市場」は平成25年度(25年6月期)の国産材原木取扱高は 8万1千㎥となっていて年々増加している。今回の改修工事は2段構造となっている土場を平らな1段構造にするとともに、最新型の丸太選木機(26ポケット)に更新し作業効率を良くすることが狙い。並行して事務所棟の改築も地元宍粟材をふんだんに使用した木造2階建ての建物で完成した。今回の改修工事完成を契機に、原木の年間取扱高 10万㎥を目指している。
- 工事の内容 1 施設の名称:株式会社山崎木材市場
2 工事名称:森林林業緊急整備事業(木材加工流通施設等整備 林野庁補助事業・国庫)
3 施設所在地:宍粟市山崎町須賀沢998
4 事業主体:株式会社山崎木材市場
5 全体事業費:約 4億2千万円(国庫補助金 約 2億円)
6 実施工期:平成25年12月2日~平成26年3月28日
7 オープン年月日:平成26年4月8日
8 設計・監理事務所、施工工務店等
設計・監理:ワーク・アンド・デザイン株式会社(大阪市西区)
建 築:ワーク・アンド・デザイン株式会社(大阪市西区)
機 械:大森商機株式会社(愛媛県松山市)
9 構 造
事務所棟 木造2階建 建築面積 253㎡(延床面積421㎡)
選 木 棟 木造平屋建 建築面積140㎡
土 場 25,110㎡ 1段で、アスファルト舗装
選 木 機 丸太選木機(片側13ポケットで両側26ポケット構造)
10 木材使用量
総木材使用量; 125㎥ 内県産材91㎥ (県産材率73%)
内 訳: 事務所棟 88㎥ 選木棟 37㎥
11 木材っ調達面に関する特徴
・特記仕様書で県産材の使用を明記
・一部の部材は施主の木材市場が支給し、施工者が加工して使用
・県産材証明で確認
12 施設の特徴
事務所棟
・外観は大屋根が掛りで外壁は県産スギ材を用いた鎧張りと漆喰仕上げとなっている。
(昔の小学校をイメージした外観)
・鎧張りは、スギ本来の素地色を楽しむためクリアー塗装としている。
・構造については、事務所及び研修室等の大空間に対応するため、スギ集成材を使用し無柱空間を実現し
ている。(許容応力度計算で安全確認済み)
・入口正面エントランスには2階吹抜けめで達する天然ヒノキ磨き丸太が鎮座している。
・床材はヒノキ、壁はスギ材及びヒノキ材と漆喰仕上げにしている。
・各室ごとに使用樹種を変えた木質化により木の香りと雰囲気の違いを現している。
・内外装の木材には「オスモ」による塗装処理がなされている。
選木棟
・原木投入作業のひろさを確保するため、大スパンの大空間を確保するため、スギ集成材を使用している。
選木機
・全自動で、26種類の選別が可能となった。(片側13ポケット両側で26ポケット)
・木材市場機能を最大限生かすため、選木機械の配置に工夫している。