木材のトレーサビリティに取り組む「(協)しそうの森の木」
新しい木材供給システム
「ICタグ(電子タグ)」を使用した木材のトレーサビリティに「しそうの森の木」のグループが取り組み、民間住宅での実証実験に続き、今年度は公共事業(県営住宅20棟)に「ICタグ」入り木材を供給した。 このグループの生産した「ICタグ」木材は、生産地や、流通経路、強度、含水率などの情報を内蔵しており、木造新工法(全国初施工)「j.podシステム」により建築中の県営住宅(姫路市夢前町)に使用されている。(次ページで紹介) ([j.podシステム]は、京都大学を中心とする民間企業との開発グループが開発した新工法)「(協)しそうの森の木」
近年「宍粟森林王国」といわれた宍粟市においても木材価格の低迷等から森林所有者の経営意欲が低下し、間伐が遅れ森林の荒廃が進んでいる。将来住宅建材としての木材生産が危惧されていることから、素材生産の機械化や流通の合理化等により、木材の生産コストを低減し、森林所有者に還元しょうと「素材業者2社、製材業者2社、工務店1社」が手を組み協同組合「しそうの森の木」(代表理事三渡啓介氏)を結成し、木材の流通改革に取り組んでいる。「ICタグ」と「リーダー・ライター」
「ICタグ」にはラベル型、カード型、コイン型(500円硬貨程度)、スティック型(3mm×9mm)などの種類があり、商品等に埋めこみ、専用のリーダーやライターにより送受信し、情報を読み込んだり書き込んだりできる。 「ICタグ」はバーコード等に比べて大量のデータが書き込めるため、現在、JRの乗車券や、携帯電話などでの利用が始まっており「ICタグ」の小型化やコストダウンが進んでいる。「ICタグ」による「木材トレーサビリティ」
伐採現場等で丸太に埋め込んだ「ICタグ」に、木材の産地・品質・価格・流通経路などの情報を付与し、需要者等に、木材のトレーサビリティ(生産履歴)を公開し、透明性を図るとともに、木材流通の電子化により在庫管理によるコスト削減や木材の情報化等が可能となる。「木材トレーサビリティ」の実証実験
平成17年度の実証実験
東京大学生産技術研究所・野城教授と委託を受けた実験コンサル(株)DCMCの中村氏の指導により、民間住宅の建築過程において、木材トレーサビリティの実証実験を行った。- ICタグはコイン型とラベル型を使用し、39の「ICタグ」のうち製材過程で1件、建築現場での破損(ラベル型)が11件あったが残り27のタグは最後まで機能した。破損した原因は、建築作業中の取り扱いに起因するものであった。
- 木材の乾燥時には140℃の高温になるが乾燥後もすべてのタグは機能した。
平成18年度の実証実験
「宍粟の森の木」では、県営住宅に供給する木材においても引き続き実証実験を行っており、前年度破損のあった「シール型」を「スティック型」に変更したところ、88本全てのタグが最後まで機能したことが確認出来ている。