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第93号(P1) 国民全体で支える森林~森林・林業白書から~

概要

このほど、林野庁は「森林・林業白書」を公表した。同白書では、山地災害の多発や京都議定書の発効等により、森林のもつ多面的機能の発揮についての期待が国民の中で高まっているとしている。
また、国産材製品を積極的に利用したり、森林づくりを行う企業や団体が増えてきており、多くの国民が森林づくり活動に興味を持っているとしている。
その一方で、国内の人工林・里山林に目を向けると、手入れが十分に行われていない森林が見られ、国内の森林は、その力を活かしきれていない状況にあると分析している。その上で、「森林のもたらす恩恵を享受するためには、国民全体で森林を支える必要がある」との基本認識を明らかにした。

急がれる森林の整備・保全

京都議定書の約束期間の開始が平成20年に迫っており、自然災害も相次いでいることから、国内の森林の整備・保全を急ぐ必要がある。一方で、林業の採算性が低下し、森林所有者の施業意欲は減退している。
林業の採算性の向上については、関係者の自助努力が必要だが、多面的機能の発揮に向け、国民の理解と協力のもと、社会全体で森林の整備・保全の取り組みを支える必要がある。
具体的には、
  1. 持続可能な経営を行っている森林で生産された地域材を利用すること。
  2. 森林づくりへの直接参加(ボランティア等として)。
  3. 緑の募金活動など、森林づくり活動への支援。
の3点を上げている。
森林の整備・保全を着実に進めていくためには、国や地方公共団体に加え、業界関係者、消費者、企業等国民が互いに協力し、それぞれが今できることを着実に実行していくことが重要としている。

木材利用をとりまく動向

国は京都議定書の目標達成に向けた地域材利用拡大の国民運動として、「木づかい運動」を平成17年度から開始した。地方公共団体では、地域材を使用した木造住宅の建設に際し、補助金、地域材無償提供、低利融資等を事業化しており、平成17年度では38道府県が実施した。また、企業においては、国産材を使用した紙製品、事務用品、オフィス家具等を積極的に利用する動きがみられ、環境貢献活動や地球温暖化防止運動の一環として、国産材製品を利用することへの関心が高まっているとしている。
木材利用の意義として、環境や人に優しい材料であることを記述している。
その中で木材・アルミニウム・鉄を製造する際に放出される炭素量の割合については、木材を1とすると、鉄が50、アルミニウムが220であり、木材が環境負荷の少ない材料であることを紹介している。

国産材供給量は僅かに増加

我が国の平成16年の用材需要量は、丸太に換算して8,980万m3で前年より3%の増加となった。
国産材供給量は、前年より2.5%増の1,656万m3となり、2年連続で増加した。
平成15年の合板用材の輸入量は建築基準法改正によりホルムアルデヒド発散量の表示が義務化されたことで減少したが、平成16年では、この対応が進んだことから、輸入量は前年比8%の増加となった。
国産針葉樹の合板用材は、技術の向上により小径材も利用可能となり、スギ間伐材等の利用が増加している。
新設住宅着工戸数の木造率については、四割台のまま推移しているが、世帯数の減少が推計され、将来住宅着工の増加による木材需要の増加は難しい。このため、柱等の住宅構造材以外の分野での需要開拓が必要であるとしている。
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