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第105号(P1) 平成19年度 森林・林業白書から

林業の新たな挑戦
~国産材の安定供給を支え、健全な森林を将来へと引き継ぐ林業経営の確立に向けて~
 このほど林野庁は「森林・林業白書」を公表した。同白書は「国産材の安定供給を支え、健全な森林を将来へと引き継ぐ林業経営の確立」に向け、森林整備の効率化と低コスト化に対応するため、各種施策の充実を目指すとしている。
提案型による集約化施業
 林業は、地球温暖化防止をはじめとする森林の公益的機能を十分に発揮するための適切な森林整備や、木材産業が求める国産材の安定供給に応えることを強く要請されている。これらのニーズに対し、我が国の林業を担う者は、施業の集約化による経営規模の拡大や林業生産コストの低減等に向けた新たな取組みに挑戦することが不可欠としている。
 この挑戦の主軸は、経営管理技術を習得した意欲ある林業事業体が担い、地域の実情にあった効果的な「施業提案活動」を通して施業の集約化と計画的な施業の実施を進めることが重要としている。さらに、林業側の価格交渉力を高めるため、原木の安定供給と併せ供給可能量に関する情報を林業側と木材産業側が共有する取組みや、流通の効率化を推進しながら林業と木材産業の持続的な関係を強化することが重要としている。
森林吸収源対策の加速化
 「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が平成19年に取りまとめた「IPCC第4次評価報告書」によると、20世紀半ば以降に観測された世界の平均気温の上昇のほとんどは人為起源による可能性が高く、化石燃料を多用した高い経済成長を続けた場合、今世紀末までに約4℃気温が上昇すると予測している。温暖化による影響を小さくするためには今後20~30年間の取組みが大きく影響するとしている。
 我が国林業は、京都議定書の6%削減約束の達成に向け、森林吸収量の目標(1,300万炭素トン)を確保するため、平成19年度から第1約束期間が終了する平成24年度までの6年間に毎年20万haの追加的な間伐等を実施する必要があるとしている。また、多用な森づくりを目指して、引き続き「美しい森づくり推進国民運動」を進める等、間伐をはじめとする森林吸収源対策の加速化が重要としている。
国産材自給率20.3%
 我が国の木材需要量(用材)は平成14年以降9千万m3を下回っているが、平成18年は8,679万m3で前年比93万m3の増であった。国産材供給量は1,762万m3(前年比44万m3増)で、製材、パルプ・チップ、合板とも増加傾向にある。
 合板用材への国産材の供給は、スギ・カラマツ等の針葉樹を中心に急激に増加し、平成18年の供給量は5年前の約6倍となった。また、強度性能が明確で、寸法安定性に優れた製品として利用が増加している集成材に対しても、国産材の供給は増加しており、平成18年の供給量は対前年比で55%の増加となった。
 製材工場は、出力規模の小さな工場が減少傾向にある一方、工場数では全体の6%を占めるにすぎない大規模工場が、素材消費量では全体の53%にあたる1,077万m3を消費する構造となっている。このような中、消費者ニーズに対応した製品を供給するには、スケールメリットを追求した加工体制の整備や複数の工場が連携し効率性を高めること等が重要としている。
 さらに、国産材利用を総合的に推進するためには、消費者の要請に応えた住宅を提供する「顔の見える木材での家づくり」など地域に根ざした特色ある取組みを進めるとともに、国民が木材利用の重要性や木の良さの認識を深めるよう、公共施設や公共土木工事において木材を利用することが重要であるとしている。
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