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木材の保護(防腐・防虫)について

Q.1 木材が屋外で劣化するのはなぜ?
Q.2 木材の腐れ、カビとは?
Q.3 木材に付く害虫は?
Q.4 木材を長持ちさせるためには?
Q.5 木材保護着色塗料とは?
Q.6 木材保護着色塗料の効果は?
Q.7 使用施工例。

Q.1木材が屋外で劣化するのはなぜ?

木材を屋外で数年使用すれば強弱の差はあれ必ず劣化します。
劣化の程度は使われている条件、によって大きな相違があります。
劣化の要因については種々考えられますが、主な要因を次のとおりです。
  1. 光による劣化

    木材に光が当たると変色します。これは木材が光、とりわけ紫外線を良く吸収するからであり、木材の成分と紫外光は光化学反応を引き起こして着色物質を生成します。これがいわゆる「やけ」です。
  2. 微生物による劣化

    木材の劣化のうちで最も被害の多いのがこの微生物による生物汚染です。木材は糖類、でんぷん等、微生物が餌にすることができる成分から構成されていますので水分、温度、酵素等微生物の繁殖条件が整えばかびや木材腐朽菌、木材変色菌が容易に繁殖して生物汚染が生じます
  3. 害虫による食害

    樹木は伐採された瞬間からいろいろな虫の害を受けますが、攻撃する虫の種類は材の含水率に左右されます。伐採直後の含水率の高い丸太は、キクイムシ科、オサゾウムシ科、キバチ科等に属する虫の被害を受け、建築物や家具、建具などに使われる乾燥材はヒラタキクイムシ科、ナガシンクイムシ科、シバンムシ科等による被害を受けます。また、湿気の多い床下や水まわりの木部(湿潤材)は主にシロアリによる被害を受けます。
  4. 大気汚染による劣化

    大気汚染物質としての酸性降下物である酸性雨による木材への被害が最近では注目されています。pH3.0の雨水はpH7.0の雨水よりも木材の風化を約10%促進させます。
  5. その他外部からの物理的要因

    木材は他材料に比べて柔らかい材料であり、風によって運ばれる土砂や塵、埃などにより傷つき、研磨作用により風化が進行します。

Q.2木材の腐れ、カビとは?

ho_kabi.jpg 木材が腐るのは木材腐朽菌の作用によるものですが、この菌は日の当たりにくいところや雨にぬれるところでとくに繁殖しやすいものです。見た目には健全に見える木材でもたくさんの菌が付着しています。
これらの菌の大部分が木材を腐食する仲間で、生活力旺盛な土壌棲息型です。
ところで、木材に付着侵入する菌は、その加害のしかたで通常5つに大別されています。腐朽は一種類の菌によるものでなく、いろいろな菌による共同侵略なのです。
  1. 表面汚染(かびる・汚れ)

    ・湿度が高い、あるいは結露しやすい環境におかれた木材、とくに荒削りの材、ほこり、ごみ、人間の手あかなどがついた材によく発生します。
    ・食品、紙、湿った壁、タタミなどにつくカビと同じ、アオカビ、コウジカビ、クモノスカビ、ケカビなど子のう菌、藻菌といわれる菌のしわざです。
    ・カビで汚れた表面は少し削るか、ブラシでこするとカビがとてもきれいになります。
  2. 深部変色(しみ・さび・あお)

    ・犯人は子のう菌とよぶ、熱や乾燥に弱い菌です。木材中のデンプン、糖類を食べるが酵素分解しないので木材の物性にはほとんど影響しません。しかし、耐衝撃性が若干低下しますので、スポーツ用具、ヨット、航空機などには使用できません。
    ・青変菌がもっとも一般的で、窓枠、ドア、板ベイ、ベランダなどに多発し褐変、緑変、赤変もあり、削っても、漂白剤を用いてもなかなかとれません。
  3. 褐色腐朽(赤ぐされ)

    ・多湿、通風換気や日照採光の悪いところに大発生。床下、地下室、水まわり部分、モルタル壁の内部、雨もりのしているところなどの建物の腐れの95%がこのタイプです。
    ・担子菌という仲間(この仲間にはキノコをつくるものがあります)のしわざです。木材中のセルローズを分解消化して、あとにリグニンなど褐色物質を食べ残すので、腐朽がすすんだ木材は褐色になります。
    ・代表的なものは乾ぐされ、水ぐされ、綿ぐされ、そして雨もりを狙うマツオウジです。
  4. 白色腐朽(白ぐされ)

    ・羽目板、ぬれ縁、板ベイ、窓枠などに多発します。腐朽がすすんだ木材は白っぽくなります。
    ・褐色腐朽をおこす仲間より寒さや直射日光に強い担子菌の仲間が主犯。乾湿のくりかえし変化がはげしいところや寒暖差の大きいところでもよく生育・繁殖します。
    ・木材中のリグニン・ヘミセルローズを分解消化して腐った木材には白色のセルローズ(紙パイプの原料)が残ります。
    ・代表菌はカワラタケとカイガラタケが有名です。
    ・褐色腐朽の発生はペンキを塗ることで、ある程度は押さえられますが、白色腐朽にはほとんど無効だといわれています。
  5. 軟腐朽(軟ぐされ)

    ・クーリングタワーのバッキング材、杭丸太、ボート、紙パルプ用のチップ材など常時、湿潤な状態のところに発生します。腐朽材はどす黒く焦げたように見えます。
    ・子のう菌とよぶ、カビのしわざ。木材中のヘミセルローズを分解消化し、この腐朽がすすんだ木材は指でおさえるとチーズのような手ざわりです。
    ・代表菌はケトミウム、トルコデンマなど約50種。褐色腐朽や白色腐朽を起す菌が生育できないような高含水率(100%以上)の木材を好んで侵します。またアルカリ(PH8〜10)に強く、暑さにも強い(38℃くらいまで生育できる)といわれています。

Q.3木材に付く害虫は?

  1. ヒラタキクイムシ

    春から夏にかけて、木材表面に円形の小さい穴(1〜2mm)、そのまわりに白い木粉が落ちていたら、ヒラタキクイムシの被害があるしるしです。これは繁殖のために成虫が飛びだした後です。成虫は夜行性、昼間はものかげにひそみ、夜でてきて産卵しますが、アフリカ原産種は昼間活動します。ラワン材など熱帯産広葉樹のよく乾燥した新材が大好物で、家ばかりでなく家具、建具の大敵です。木材を食い荒すのは幼虫です。
  2. ナガシンクイムシ

    ラワン材など広葉樹材だけでなく、アメリカ、カナダ産の針葉樹材・竹材の大敵です。
    オオナガシンクイムシの被害は断熱・暖房の普及とともに北進しています。この仲間には土壁の中の、こまい竹を集中攻撃するチビタケナガシンクイムシがいます。
    ナガシンクイムシがつくと、材表面を残して内部をボロボロ食い荒します。繁殖・産卵期は春から秋です。ナガシンクイムシはヒラタキクイムシとちがい幼虫も木材を加害します。
  3. シロアリ

    ho_gai3.jpg約3億年の昔、石炭紀のころから今日まで生き延びてきた、生活力旺盛な昆虫で、先祖はゴキブリと同じ仲間です。羽アリを見つけたら、どこか近辺に1万から5万匹のシロアリの集団がいます。主食は木材で、住み着くと1年で土台か柱を1本くらい食べてしまいます。シロアリの種類は2種類あり、ヤマトシロアリは北海道の一部を除いて全国いたるところにいます。イエシロアリは九州、四国、中国・近畿・東海の太平洋側に多発します。
    光を嫌い、人目にふれるのは春から夏です。4月から5月はヤマトシロアリの結婚シーズンです。雨上がりの暖かいよく晴れた10〜12時ごろ庭の切り株、家の土台、浴室などから羽アリが群れをなして飛び出します。6〜7月電灯に向かって飛んでくるのはイエシロアリ。気温が25°Cをこして蒸し暑い日が続くとき曇天の午後7〜10時頃に燈火に集まります。
    イエシロアリ(左)ヤマトシロアリ(右)
    イエシロアリ(左)ヤマトシロアリ(右)

    シロアリ(左)アリ(右)

Q.4木材を長持ちさせるためには?

木材を使用するにあたって、注意しなければいけないことは耐久性の向上です。
木材を長期間屋外で使用したり、外壁として使用するためには保護処理を欠かすことは出来ません。
腐れや害虫による被害は、手がつけられなくなってからその場しのぎの補修駆除工事を行っても防ぎきれるものではありません。
被害がおきてから対策を考えるのではなく、私たちの健康と同様、予防という考え方にたって事前に手を打っておくことが必要です。
  1. 外部からの物理的要因(土砂、塵、埃)から保護する。

    例えば塗装などを行う。
  2. 変色が起こっても顕著に目立たない処理をする。

    例えば着色塗装仕上げなどを行う。
  3. 微生物の繁殖を防止する。

    例えば防腐処理、防かび処理、木材保護着色塗料の塗布、人工乾燥などを行う。
  4. 木材中の変退色原因物質を除去する。

    例えば有機溶剤を使って抽出除去する。
このなかで、処理のしやすさ、コストなどを考慮すると最も一般的に行われているのが塗装です。
一般的な塗装の目的は、使用した木材の美観向上および維持、素地の保護、防虫・防かびなどです。

Q.5木材保護着色塗料とは?

樹脂・顔料・撥水剤・防腐剤・防かび剤・防虫剤・溶剤を標準組成とし、特徴は含浸型と造膜型で多少の違いはありますが撥水性、変退色防止、着色、塗装後も木目が見える、外装に使用できることであります。
  1. 造膜タイプ(Q7の使用施工例を参考にして下さい)

    一般的に粘度が高く木材中への浸透が少ないが、塗膜を形成するため、水や風化に対して強く耐候性は高い。
    しかし、塗膜があるため再塗装の際に重ね塗りができず、一旦残っている塗膜を剥がす必要があるためメンテナンスコストが高くなります。
    また、塗膜があるため木材の吸放湿作用(呼吸作用)が妨げられ、木材中の水分により塗膜割れが発生しやすくなります。
    塗膜割れなど、部分的に劣化が目立ちその後の劣化は早くなります。耐候性は5年。
    最近では、この木材保護塗料の欠点であるメンテナンスコストや伸縮性・吸放湿が改善された新製品も開発されています。
  2. 含浸タイプ(Q7の使用施工例を参考にして下さい)

    塗料が木材中に浸透し顔料だけが木材表面上にのこるため、通気性に富み、木目を活かす事が出来、しかも防腐・防虫・防カビ効果を発揮します。
    塗膜を作らないため、薬剤の溶脱や顔料の離脱があり色あせが早いが、緩やかな色あせのためあまり目立ちません。
    さらに、再塗装時に重ね塗りができるためメンテナンスコストが安く、また、一度再塗装することにより次回のメンテ期間を延ばすことができます。

Q.6木材保護着色塗料の効果は?

  1. 防腐効果

    わが国にいる木材腐朽菌は数百種類といわれていますが、ここでは最も一般的な菌を使用した実験の結果を紹介します。(資料提供:日本エンバイロケミカルズ(株)【商品名:キシラデコール】)

    *質量の減少率が腐朽の進み具合を示しています。

    供試菌 カワラタケ オオウズラタケ ナミダタケ
    樹種名 ブナ スギ アカマツ
    区分 処理 無処理 処理 無処理 処理 無処理
    重量減少率(%) 0 21 0 36 0 31
  2. 防虫効果

    大型の乾燥材の害虫であるイエカミキリに対する効果を紹介します。
    マツの辺材を保護着色塗料に浸漬し、この上にイエカミキリの幼虫10匹をのせ、食害の状況を試験したものです。
    (資料提供:日本エンバイロケミカルズ(株)【商品名:キシラデコール】)

      処理量(g/m2) イエカミキリの状態
    木をかじらないまま死滅 木をかじって死滅 生存、ムシ穴あり
    1 182 10 0 0
    2 178 10 0 0
    3 175 10 0 0
    4 172 10 0 0
    無処理 0 0 10

  3. 耐候性

    定期的に塗り替えを行えば、木材は半永久的に長持ちします。第1回目の塗りかえは建物の東、北側で2〜5年、南、西側で2〜3年、以後は5年ごとが目安です。
    また、色によって耐候性は異なり、明るい色で2〜3年、暗い色で3〜5年で塗り替えを行います。 これらは、おのおの塗料に適した仕様で塗装を行ったかどうか、おるいは塗装時の材の含水率によりかなり左右されますが、建物が立っている土地の気候や地形による影響もあります。

Q.7使用施工例

含浸タイプ【キシラデコール】兵庫県立丹波年輪の里「木の館」
兵庫県立丹波年輪の里「木の館」
造膜タイプ【コンゾラン】兵庫県氷上郡柏原町「大手会館」 −文化財−
兵庫県氷上郡柏原町「大手会館」
補修前

補修後

「キシラデコール」等の詳しい問い合わせ先は
〒541-0051 大阪市中央区備後町3丁目6番14号
日本エンバイロケミカルズ(株)
保存剤事業部 木材保護塗料営業グループ
TEL(06)6268-3425 FAX(06)6268-3420
WWW http://www.jechem.co.jp/
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