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日日道具教室「WOOD BOWL & SPOON」開催


こんにちは。指導員の大橋です。
12月に入り、日に日に寒くなる一方の丹波です。去年より寒さが厳しいような気がします。

そんな寒い寒い12月ですが、7、14、21日の日曜日を利用して、
木工教室を開催しました。 ボウル型の器と、スプーンを作る教室です。
アニメ「アルプスの少女ハイジ」に出てくる、あったかいシチューがよく合う食器を目指し
この教室を企画しました。
まず1日目の初めはスプーンから。
午前中を使い削っていきます。
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はじめに食べ物をすくう部分。
「曲がり丸刀(がんとう)」という彫刻刀を使い削っていきます。少し曲がっているおかげで、
中を掘り出す作業に適した彫刻刀です。
今回の教室では、予め一番深くなるところに穴を開けておきました。
それを目安に削っていきます。
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次に裏側の部分
ここからは切り出し小刀を使い削っていきます。
裏の一番高くなるところから先端に向かって削っていくんですが、この時、角を落とすように大きく削り、そのあと丸みが出るように削っていきます。
大きく削る時と細かく削る時とメリハリをつけて削るのもうまく仕上げるポイントです。

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柄の部分は木目の流れが変わり、逆目になりやすいので、慎重に削りましょう。
一番細くなる部分なのですが、ついつい削り過ぎてしまう部分です。 5 .JPG

全体を見ながら刀跡でできたでこぼこを滑らかになるように削っていきます。

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午後からは、ボウルに移ります。
粗取りはボール盤というドリルの機械で穴を開けていきますが、時間の関係もあり、予めこちらであけておきました。それぞれ設計通りの深さで開けてますので、それを目安に削っていきます。

ボウルを削る時は、叩き丸鑿(まるのみ)と 、深さがあるので今回はもう一本、曲がりの叩き丸鑿を使い削っていきます。その名の通り、鑿を木槌で叩いて削っていくための鑿です。仕上げ削りは通常彫刻刀などの別の刃物を使うことが多いですが、教室では叩き鑿で仕上げ削りもしていきました。
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あまり力いっぱい叩くというよりは、一定のリズムで削っていくと削り具合も安定します。
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休憩も兼ねて、15時頃スプーンの塗装作業に移りました。
まず下地調整から。ヤスリを使い表面を滑らかにしていきます。番手は荒いものと細かいもの(#180、#240)の2種類で磨き、その後に塗装です。
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「キヌカ」というオイル塗料を使い塗装していきます。
米ぬかとお花(リムナンテス)の油からできています。口に直接触れるものなので、自然由来のものの方が安心かなと思い、私の教室ではいつもこの塗料を使います。 15 .JPG 9 .JPG

塗装を終えた方からまた作業に戻り、表側がほとんど削れたところで1日目が終了。

2日目は、表側の仕上げ削りから。
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仕上げに近づくほど、丁寧に慎重に
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その後、裏側の加工に移ります。
毛引きを使い墨付け、そこに合わせてノコギリ挽きをしていきます。
このノコギリ挽きが荒削りの目安になるので、挽き過ぎ注意です。
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ご夫婦で協力しながら
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裏は平のみを使い削っていきます。
まずノコギリ線まで削り、その後全体に丸みをつけるように仕上げ削りへと移ります。
高台部分は丸鑿で削ります。裏は時間の関係もあり、のみ跡仕上げになりますので、より丁寧に木目を見ながら削っていきます。その作業と平行して、スプーンの2回目の塗装もしていきました。
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削りやすい体勢で削ることも非常に重要です。
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ここで2日目が終了。だいぶ形になってきました。 26 .JPG



そして最終日。 表側の面取り、それから全体の仕上げをしていきます。
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丁寧に、丁寧に、よく木目を見ながら。
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いよいよ塗装にかかります。まずは下地調整から。
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スプーンの場合は#180から始めましたが、器の場合は面積が大きいので、#120からかけていきます。#120のヤスリをしっかりかけておくと後の作業がスムーズに進みます。これも木目に合わせてかけていきます。#120→#180→#240の順でかけていきました。
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塗装はスプーンと同じくキヌカです。
1回目の塗装をしたところで、お昼休み。2時間ほどずれたお昼ご飯は、格別だったのではないでしょうか。空腹の中での作業お疲れさまでした。 30 .JPG


ここで2回目の塗装に入る前に、一度お湯を使い油分を落とします。
オイル塗装の食器は使っているとどうしても油分が抜けたり、木肌がケバ立ってきます。特に使い始めた時がよく出ます。なので、わざとお湯洗いすることで、一度使用した状態を作り、抜ける分の油分を抜き、ケバ立ちを出します。
その上で#400の耐水ペーパーを使いケバを寝かせるように磨き、2回目の塗装を行います。さらに濡れた状態で先ほどの#400で磨くことで、木目に木の粉とオイルが混ざったものが埋まり、表面がより平滑になってきます。乾燥後三回目の塗装の時はさらに細かい#800を使い磨きます。これでより耐久性が増し、食器として使用に耐えるものに近づきます。二日目に行ったスプーンの塗装も同じような行程で塗装しました。
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その後乾燥後に三回目の塗装。
15分程度置いたあと3回目の塗装をしました。
本来はしっかり乾燥した後に行った方が、確実です。
塗装が終わり、これで完成です。
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なお使っているとまた同じようにオイル抜けやケバ立ちが出てきますので、その時はまたこのように手入れすることで、より良くなっていきます。ご家庭でされる場合は、オリーブオイル、エゴマ油、亜麻仁油といった植物性の油がオススメです。
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今回の教室、いかがでしたでしょうか。
削る量も非常に多かったので、特に初めての方や女性の方は少し時間がかかっていたように見えましたが、それでも皆さん無事に完成するところまでできてよかったです。また、遅刻や、体調不良で欠席された方も、後日補習に来られ無事に完成しました。
使えば使うほど、より風合い、耐久性が増していくのが木の道具の持ち味です。

ご参加いただいた皆さん
どうぞこの冬は、この器とスプーンで、あったかいシチューをいただいてくださいねー。
3日間どうもありがとうございました。