さて、前回の記事から少し間が開いてしまいましたが、
今回もいろいろ書いてみようと思います。
まずは年輪の里の得意分野の一つ、カトラリーです。



東浦指導員が製作しているのは箸とケース。
蓋に銘木を使用した上品な品です。
蓋には「蟻溝」という台形の特殊加工がされていて
スライドでぴったりと閉まる作りで全体的にスッキ
リとした仕上がりに纏まります。
下は大森指導員のスプーン。
金属製のカトラリーでは出来ないボリューム感と曲
線の出し方が木材ならではの質感を強調してくれて
います。
シュッとしたスタイリッシュな木工と、木が持つ
「やぼったさ」というか木材の生命感がダイレクト
に残る木工、素材と作り手の掛け算で大きく表情の
出方が違うのも木工も見る上での楽しみかなと思い
ます。
作り手使い手でこの辺好みは分かれる方も多いとこ
ろですが、自分はどちらも大好物です...。
こちらは小泉指導員。
先日のスマートフォンスタンド改良版が進んでいます。
ヴァイオリンの型に切り抜いた物はペーパー掛けや面
取りを経て縁に焼きペンをいれます。
その物の特徴を捉えてそれを嫌味無くデザインに付加
する。この加減は結構難しい事なんですよね...。
オーバルボックスの製作にも継続的に取り組んでいるそ
うです。薄いとか小さい、といった加工の絶対範囲が少
ない工作は見ているだけでも緊張しますね。
少し遡りますが休館になった頃から私、西が取り組んで
いるのは、小刀の仕込み
。
9月に新しい教室をするために小刀をどのように柄に入れ
るのか、どんな形の刃物が理想か。唐木で刃物の模型を作
り柄をつけて使い勝手のイメージを具体化していく作業で、
最終的に絞り込めた形の刃物を鍛冶屋さんに作っていただ
きたいな、と思っています。
昔は柄・鞘屋さんが刃物産地には多くあったそうですが、
残念ながら今はほとんど無いそうです。
柄の作り方や鞘の仕込み方、乏しいながらも見つけた情報
や聞いた技を少しずつ丁寧につないでいくと、写真の様に
ぴったりと鞘と柄の切れ目にスキが無く柄と鞘のガタつき
も無い安全上も使い勝手も良好な小刀が仕込めました。
小刀といっても様々な種類があります。
どんな小刀の教室にするのかもう少し詰めていきたいと思います。
今回はこんなところでしょうか、また新しい取り組みも
アップしていければと思いますので、お楽しみに。